梁石日

2010年09月08日20:08従軍慰安婦小説『めぐりくる春』 対談 (西部邁・佐高信)   【学問のすゝめ】

朝日ニュースター【西部邁・佐高信の学問のすゝめⅡ】は、

2年目のテーマは「本」。人類の遺産とも言える「古典」、今の時代を映す「ベストセラー」、そして今 読むべき「お奨め本」など保守派の碩学、西部邁リベラル派の代表、佐高信が更に自由に語り合います!

こんな番組で、今回は、従軍慰安婦小説と在日朝鮮人に関してだったので、西部・佐高氏2人の対談を記録しました。(ただし、長いので流れはそのまま要約、その小説『めぐりくる春』と関係のない話は省略)

佐高信氏は、アノ週刊金曜日の発行人。西部さんは《西部邁・平沼赳夫の鳩山クッキング》でお馴染み?かも。
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佐高氏
「第2ラウンド、今回はヤン・ソギルさんの『めぐりくる春』なんですが、

ちょっと西部さんには読みにくい本(笑)」西部氏「いやいや、スラスラと。これ週刊金曜日に連載された、、(笑)」佐高氏「じゃあVTR」

002_2  今回取り上げるのは、作家・梁石日(ヤン・ソビル)氏が従軍慰安婦問題を取り上げた『めぐりくる春』。日中戦争が始まった日本占領下の朝鮮半島を舞台に、出稼ぎに出ていた少女スンパが17歳の時に、日本人の警官に騙され、従軍慰安婦にされてからの過酷な運命を描いている。

作者の梁石日(ヤン・ソビル)氏は大阪に生まれ、『タクシードライバー日誌』で作家デビュー。

主な作品に在日を描いた『夜を賭けて』実の父をモデルにした『血と骨』。幼児の売買春・臓器移植を描いた『闇の子供たち』などがある。

佐高氏「梁石日(ヤン・ソビル)って人の作品は、映画なんか含めて初めて?(初めて) あ~」

003西部氏「血と骨?! はある酒場の女性が観て、あんまりあんまり残虐なんで西部さん見るなって(笑) 素直に観なかった(笑)」

佐高氏「酒場の女性の言う事聞かれた?(笑)」

西部氏「僕ね、これ読んでて、一言で言うとね、作者に悪いけど、非常に読み易い本でね、

物事の一面は表現されてるんだろうけども、やっぱりね・・・・・薄っぺらでね。読みやすかったけども、物事の一側面をかすっただけで、心に打つものがほとんどなかった。」佐高氏「薄っぺらって、人間が生きていく、、」

西部氏「これ日本の戦争の小説もだが、例えば軍隊というもの、娼婦と軍隊の関係でも人間性そのものの否定だという表現が出てくるけど、でもそうだったら小説の表現はつまんなくなるんではないか。

僕に言わせれば、戦争も、戦争の性も、性をめぐる暴力その他も非常に歪んだ形だが、人間性そのものの発露でもありうるという視点がないと、結局はどっかに悪いやつがいて良い人はかわいそうみたいな話で、子供向けの紙芝居になっちゃうと思う。」

佐高氏「ただこの中に、日本兵と慰安婦の恋愛、、」

005 西部氏「まさしくそう。気が付いててだから作者の表現の中に矛盾が生じるんじゃないかと

要するに、韓国人の娼婦と日本兵の間に恋愛が生じて、、そしてそれを人間性というのならば、人間性そのものの否定なんて事は簡単に言えないんじゃないか

いい例かわからないが、第二次世界大戦だって、好きではないがレマルクがドイツ人にいて、凱旋門とか愛する時と死する時、、あれも簡単に言うと ドイツ人の若き兵士がヒューマニストとして振舞う。ところがドイツの戦争はナチスで言えばここで人間性を否定する、悪しきナチス党員がいたみたいな話になる。

やはり今頃書くなら、そういうどっちをとるかみたいな話じゃ、戦争とか性暴力はないんだと表現してもらいたいなぁ。」

佐高氏「西部さんは要するに従軍慰安婦論争みたいなものがあって、従軍慰安婦は存在しなかったという、、」

西部氏「僕は、"従軍慰安婦"は直どおりに解釈すると、軍の動きと共に兵隊を性の面で慰安する婦人の話と。そういう意味なら別に従軍慰安婦はどっこにもいるもんだが、問題は軍の強制連行で行われたかどうか

もちろん強制連行があったという証言もある事も知っているし、でも調べたらそれはウソの証言・誇大な証言だったと。

僕は両陣営とも偏執的に強制連行があったあったと証言を集めてくる人たちと、その証言を逐一偏執的にまた調べまくってなかったと言っている人達、、もう勝手にやってくれと。

というのは、この話戻すが、最初の方に先程『日本の警察に騙されて』みたいな事があったが、その前冒頭に『小作地の見回り役としてのコヘイセイ、それを誘い込むわけ』(朝鮮の人をね) そうそう、僕はあんまり経験ないんだけど、僕がいくつか実地に関係者から聞いた話で言うと、

例えば友人のお父さんが、日本軍に協力したという事で樺太でソ連軍に処刑された人の話だが、木浦(モッポ)は当時日本兵の労務者の娼婦も含めて、運び出し基地で、彼はそこから韓国人・朝鮮人を日本に運んできた親分

ここいう話は多くて、困っている朝鮮人、娼婦を収入が十倍になると誘って集めて、それで運んできて日本の軍隊に就けるとか、日本の鉱山なりに就けると

そういう事が考えられないまま、強制連行という紋切型の、軍隊の強い日本と当時弱い韓国で、そうなれば当然強いものが弱いものをやっつけてきたハズだ。押さえつけたハズだ。強制連行したハズだという、そういう話がだんだん尾ひれが付けられるのはなんか変だなぁという気持ちはある。」

佐高氏「その命令書があったかという話をこうやるのは、私も違うんじゃないかと思う。例えば城山三郎さんの『特攻』でも、特攻志願の者は前へという話がある。その時に出ない訳にはいかないという状況、それしか選択肢がないというものを、つまりそれは強制ではないという風に(笑)言った場合には、実態とはちょっとズレると思う。」

021  西部氏「そう、それはズレるよね。だからそこの所はほっんとうに微妙で、しかし反対に強制がないというのも現実としてズレるし、また強制だというのもズレる

まぁ特攻の話の方が論じやすいけどね。やっぱり学徒出陣も自分は国の為に死ぬと言う気持ちで行っている。

そこまで本当で、然しながらギリギリまで来たら特攻で一人で死んでいくという事は滅多に選ばれるもんじゃないという意味では、志願したくないなと思う人が多かった事は簡単に想像できる。

でも、私心では志願したくない、死にたくない。然しながらその当時時代の中でのパブリックマインドの在り方として青年たるもの志願せねばならん。つまり一歩前に出るか留まるかという時には、私心とパブリックの心のせめぎ合いがあるわけで、人によっていろんなケースがあるので、そこの所を表現する事は、社会学的にはムリだが、文学はそれだって良い気がする。」(中略)

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 西部氏「各謝罪談話の話は、100%否定はしないが、過去の歴史上にあった事柄について、後世がそれについて反省するとか、謝罪するとかそういう事を軽々しくやるという事の中に、

それこそ人間性についての間違った判断が、、つまり人間の感情、認識自体が歴史の中にいて時代の中に居て、そういう中にいない我々があれは悪かったとか良かったとか、果たしてどこまで言えるかという、、そのことに対して物凄い軽はずみな、オマエさん達は何者なんだと。」(佐高氏、小泉・安倍氏批判 略) 

011013西部氏「当時の法律も知っているし、

ロシアの南下政策・韓国がロシア人を軍事顧問として雇っていた状況も全部知った上で、、しかし日本は軍国主義が強まった事は確かだが、その歴史上のやむおえざる事情も絡み合っているので、反省・謝罪ではなく、遺憾であったという言葉に留めるべきだとずっと思っている。」(中略)

 佐高氏「ヤン・ソギルは、様々な体験を経て、夜逃げしたりタクシードライバーずっとやったりした人だが、ヘンリー・ミラーに没頭した、ある種の日本のヘンリー・ミラーみたいな所があるので、腰が据わってる書き方はしている。」(かっけの話などに脱線 略).

014 015西部氏「・・話戻していい? 

これもわずかな経験なんだけど、日本に来た韓国人の事『僑胞(キョッポ)』って言うが、僕一度、在日で総連系を連れて韓国旅行した事がある。偉そうに言うと僕が引率って感じで。徐兄弟って拷問にあったでしょ? あの人がスパイだったという話ではなくて、あの後だったのでなかなか怯えて、、

つまり脛に傷があったから傷持ったまま本国へ帰ったら、何かの具合でKCIAにやられるんじゃないかという、帰れないという人達が何人かいて、大丈夫だと僕らが連れて行ったことがある。

その時4箇所、ソウルから南下して慶州・百済のプヨ?・・最後釜山行ったりして、色んな町でバーなんかに入ると、カタコトの日本語を喋れる女性達が、連れて行ったキョッポに対して、物凄いアグレッシブルな事をいう。罵倒に近い。

016 『アンタ、所詮キョッポでしょ』と『カネが欲しくて国を捨てて日本に渡った人達の子孫でしょ』と『韓国人のクセして韓国語を喋れないの』と。

僕は義憤に駆られて女性達を叱った。『色んな事情を抱えて日本に居たから韓国語が喋れないだけであって、自分の母国が懐かしいって来ているだけなのにそのからかい方は一体なんなんだ』と柄にも無くケンカしたことがある(笑)

韓国の本国の人達は統計的に分かっているんじゃないかと。あの当時の韓国は貧しいから、少しでも安定した金銭収入にありつきたいと日本列島に渡ったんじゃないかという、本国の人達は共通認識として思ってるんじゃないかと。

韓国語を喋れなくなった在日の子孫にそういう言い方をするのは、そういうのをやっちゃいけないって国際作法にしてもらいたい(笑)」(ブラジル移民の話  略)

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佐高氏
「北朝鮮の帰還事業もそこにしか希望を託せないと、、それからね、ジャイアンツの新浦っていうピッチャーがいたでしょ? あの人はまさに在日で、(向こうに行って野球やってたでしょ) そうです。

019 020それから広島の福士が、関川夏央が『海峡を越えたホームラン』という本の中で書いたが、まさに渡ってから苦労するわけです。『オマエはキョッポだ』と『ハングル喋れねぇじゃねぇか』と。」

西部氏「その裏を返して、佐高さんどう思うか、、NHKで去年?、あの戦争の時に韓国人でありながら、といっても国籍は日本だが、特攻に志願する話で、ただその番組の趣旨は結局『かわいそう』って趣旨のフイルムになっているわけ。

でも僕は外交上の礼儀作法から言ったら、一応外国人が日本の為に決死の覚悟でカミカゼ特攻という作戦、、あれは原則志願だから、志願してくれたという事に、日本人が果たしてしっかりと感謝したのかどうかと。

僕はしっかりとありがとう、ご苦労様でしたと、あんな志願したら必ず死ぬのに志願してくれたことについては、後世の者としては、ご遺族に日本として感謝すると。感謝状と共に差金ね(笑)」(中略)

西部氏「・・・そういう番組を作るといっつもね、さもこんな酷い戦争の酷い乱暴な作戦に外国人が巻き込まれたと、犠牲者であると、そういう脈絡でしか作られない物語が、僕は嫌だな。」

004 佐高氏「この『めぐりくる春』をめぐってシンポジュームみたいなのをヤンさんも含めてやった時に、

インターネットでユーチューブかニコニコ動画か、バーーッとこうくるわけだが、その大部分が『証拠を出せ』って(笑)ばっかりなんですよ。『証拠出せ証拠出せ』って。

それと『何十年経った後に名乗り出たじゃないか』という話で、それについては在日朝鮮人のエッセイストの女性が、日本以上に儒教の国だから、故郷に居られない、ね、つまり慰安婦とされた場合、????できなかったというのがある。それは日本だって似たようなものありますよね?」西部氏「もちろんそう。娼婦をやるという事はね。」

佐高氏「だから証拠を出せって(笑) じゃあ、そこで一旦決着したらアメリカの原爆も非難できないのかという話になる。」

西部氏「だから、ともかく僕は結論は簡単すぎるけど、過去の歴史については、自分がその場に居たとしたらどこまでできたかという想像力を最大限駆使した上で、、申し訳なかったと言わざるを得ないと覚悟した上で、然しながらやっぱり国際社会だから、条約というレベルもあれば、、それからこれは誰もハッキリ言わないけど、あの当時は、帝国主義の末期というより最高潮の段階なんですよ。あけすけに言うと侵略する力を持っている、侵略した実績を持っているかどうかに於いて一等国、二等国、三等国が仕分けされるような世界史の段階だった。

しかもその段階を作ったのは別に日本ではなく、欧米のイニシアティブ

だから日本は免罪と言ってるんじゃなくて、そういう事を全部ひっくるめて、仕分けをしながら語ってもらいたい。」

022佐高氏「ただ、今までこういう従軍慰安婦についての小説についてほとんど書かれてこなかった。ねっ。『朗読者』との違いはどうなんだろう?」

西部氏「やはり男であれ、女であれ、裏表で、オープンと秘密とかかなり複雑なもの。

それを愛しているか愛していないか、悪いか良いかという形で二者択一するような形には出来るだけ気をつけてもらいたい

例えばこれね、ヤン・ソビルさんにケンカを売ってるワケじゃないが、こういう文章が気になった。『日本兵士は恐怖のあまり娼婦という女に抱きつき、娼婦は日本兵に対する恐怖のあまり、兵隊から逃れようとする』と。

もちろんそういう人も居たと思うし、大まかに言えばそういう風に見えたかもしれないけれども、しかしそれはいかにも単純すぎるし、ヤン・ソビルさん自身が互いに惚れ合う兵士と娼婦の話を承認している事にみられるように、そんな風に兵士と娼婦の関係をぶった切るのは僕はちょっとアレだと思った。そこの所もうちょっとね、、(情婦マノンのストーリー 略)

つまり娼婦と外国人の間には、恐怖と憎しみと色んなことがあるだろうが、同時に滅多にない男女のドラマも出現する。」(美輪昭宏の話など、略 )

Photo  佐高氏西野瑠美子って人が色々聞き書きして書いた従軍慰安婦の本のネタ元にしながら、

ヤンさんがフィクションの翼を広げてアレしたが、従軍慰安婦と兵士の間に子供が生まれて、どっかに里子に出すというか、、」

西部氏「お腹の中の子供を溶かしちゃうっていう言い方とかね、確かにあったと思う。でもそれは軍隊関係の娼婦に限らない事で、貧しいって事も関係ないのかなぁ、

つまり娼婦ってのは人類と共に最も古い商売のひとつで、なんなんだろうと思う時がある。人間って言うのは、、(一度だけ、東大に入る前に、赤線で娼婦を買って嫌だった詳しい話 略)

人間ってそんなとこあるから、戦争物だから暢気な話は書けないにしても、もうちょっと男も女も歴史も何もかも含めてもっと民間と軍隊ももっともっと人間的に書いてもらいたかったって気はするなぁ。」

佐高氏「まぁ西部さんが最後まで読み通してくれたっていう事で(笑)」

024 以上

西部氏が一度も「従軍慰安婦」と言わず、一貫して「娼婦」と言っていたのが、全てを物語っている気がします。

NHKで、『日本の、これから』ともに語ろう日韓の未来 (従軍慰安婦編)が次にあるとするならば、本当に中立的に喋れる西部さんを推薦したいと思いました(笑)

で、さっきニュースを見たら、小沢氏が総理になったら、鳩山氏と菅氏を要職に起用するつもりだとか・・こんなのを要職に就けるって、バッカじゃないのっ[E:sign02]

【ニコニコ動画】西部邁・平沼赳夫の鳩山クッキング

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2010年08月24日19:23崔洋一×金慶珠対談 『併合100年特集 日韓・在日・映画』・・【ニュースの深層】

朝日ニュースター【ニュースの深層】で、こんなのやっていたので記録しましたただし、長いので流れはそのまま要約)(青字は金慶珠氏)

8/23(月)特集:併合100年② 崔洋一監督が語る 日韓、在日・・・

ゲスト:崔 洋一 (映画監督)司 会:金 慶珠 (東海大学准教授)
日本で生まれ育ちながら韓国籍である、映画監督の崔洋一さんに在日や日韓関係について率直に語っていただきます。


韓国籍とは言っても、元々は朝鮮籍だったハーフの崔洋一氏と、純韓国人の金慶珠氏なので、盛り上がりながらもちょっとビミョ~な雰囲気・・・?