日米安保条約の対象範囲
TBS【NEWS23クロス】(9/28)で、
尖閣問題で対立する日中を見据えるアメリカの本音・思惑をやっていたので記録しました(青字はナレーション)
あと、焦点がズレた寺島実郎氏の解説も。
膳場アナ「さて、その尖閣をめぐって日中の対立が深まる中、27日には米中外相会談が行われました。尖閣の領有権については「特定の立場をとらない」とするアメリカですが、これまでどのような対応をとってきたのでしょうか。」
アメリカのクリントン国務長官とにこやかに会話を交わす中国の楊潔篪外相。米中外相会談が27日、ニューヨークで行われた。日本との対立が続く尖閣問題について、クリントン国務長官は楊外相に対し・・
クリントン国務長官「日中両国とも問題を解決するための人的資源と自制力があると信じています」
これに対し楊外相は、「釣魚島(尖閣諸島)は中国固有の領土である」とし、「日本は幻想を捨て、現実を正視し、確実に過ちを正さなければならない」と、中国政府の立場を繰り返した。
領有権問題については特定の立場を取らないことを表明しているアメリカ。
屋良朝苗知事「ここに沖縄県が復帰したことを高らかに宣言します」(1972年)
日中国交正常化した1972年は、沖縄が返還された年でもある。
日米の間に結ばれた「沖縄返還協定」には、返還される日本の領土として、緯度経度を具体的に示し、この区域内にある全ての島、小島、岩礁などと定義している。地図上でそのポイントを囲ってみた。
いびつな不等辺六角形の中には、尖閣諸島が含まれている。
外務省も尖閣諸島領有の根拠の一つとして、沖縄返還協定の緯度経度を示している。
一方で、アメリカのエネルギー省が「東シナ海」と題する報告書を発表。その中では、「尖閣諸島の領有権をめぐり東シナ海の天然ガスなどの海底資源の開発が妨げられている」としている。この中には、尖閣諸島についての解説が・・「海底資源の存在が明らかになって、中国が尖閣諸島の領有権を主張し始めた」
一方で報告書は、尖閣諸島が沖縄の一部として返還された際、中国や台湾が異議を唱えたことを取りあげ、「領有権の問題は解決されていない」とした。その上で最後に、「領有権問題については特定の立場を取らない」と結んでいる。
沖縄返還と日中国交正常化40周年を迎える中、日米安保やオスプレイ配備など様々な問題に関わっているアメリカ。今後、どのような対応を見せるのだろうか。
(VTR終了 スタジオへ)
(アメリカは1歩引いた態度をとっているように見えるが、本音・思惑は?)
寺島氏「1972年に沖縄が帰ってくる瞬間までアメリカ自身が施政権を持っていた所なんだから、自分はどちらの領土なんだか分からないなんて言えるはずはないが、
72年は丁度、米中国交回復の年で中国への配慮、70年前後に入ってから中国は尖閣の領有権を主張し始めたのに配慮して、特定の立場は取らないと今まで言っていたが、ここに来てパネッタ国防長官が日本へも中国へも中立という明確な言葉を使い始めて一段とこの問題から引いてる。
だけど考えないといけないのは、要するにアメリカのスタンスは曖昧作戦で、日本に対しては日米安保の対象と言う。
そうでなければなんで沖縄に米軍がいるんだと苛立つのが分かっているから。一方、中国に行けば習近平が釘を刺してきたら、気持ちも分かるという空気を漂わせる。
要するにアメリカのアジア戦略の本質をよく考えないといけなくて、アジアにおけるアメリカの影響力の最大化。日中に強いカードを切れるのを保持するのは当然。
で、日本人としてそろそろ考えないといけないのは、アメリカに対する過剰な期待・依存で、もし中国が軍事力で尖閣を占領したら、沖縄の米軍が動くとか、その為にオスプレイを配備したとか解釈しがちだけど、ことはそう単純じゃない。
中立でありたいのにアメリカの青年の血を流して守るだろうかとか、ひょっとしたら米中本格戦争になるかもしれない。そんな決断に踏み込むだろうかとか、
条約の責任・義務を履行するとパネッタ国防長官は繰り返したが、あまり過大な期待で解釈してはいけないと日本人としてバランス感覚だと思う。
アメリカのアジア戦略の本質は日中に影響力を行使し、しかも米中のパイプは日米よりはるかに深く強い。
日本人は米中対立を期待し、日米で連携して中国の脅威と向き合う構図を組み立ててるつもりだが、実は米中関係の方が意思疎通が強いことに気がつかなきゃいけない。
(今後どうしたらいい?) ボクは両国が尖閣の領有を主張し続け、妥協なんかあり得るわけがないので、やはり次世代への知恵は大事で、我々は過剰に思い上がっちゃいけない。未解決の解決のまま、ネガティブな問題は我慢強く封印して、お互いにプラスになることを積み上げて相互理解のパイプを深めていくしかない。
3度に亘って血で血を洗う戦いをやったドイツとフランスがネガティブな事を言ってても駄目だからポジティブに力を合わせれる事からやろうと、段階的にEU27カ国統合にもっていった。それをよく学ぶべき。
例えば若い人達の交流プログラムだとか金融連携だとかエネルギー戦略連携などを積み上げて、それが我々にとってプラスになるというのをアジアにおいて作っていかなきゃいけない。
次元の低いナショナリズムに引きずり込まれちゃ駄目。やはり世界に向けて成熟した民主国家として一次元違う発信をしているというのをやらなきゃいけないのが今の日本の立場だと思う
(そのためには様々な交流・情報交換を続けて行かないといけない)
今回、日本の本音、国有化の本音がこれだけ歪んだ形で中国に受け止められたのは、いかにパイプがないかという事だと思う。以上
アメリカは、尖閣諸島が日本の領土だと知っているのに"中立"と宣言しているのは、アジアでの影響力を温存したいからだと思っていたけど、今の政権には、絶対に戦争をしないためにも、アメリカともChinaともパイプがないのがイタイ。
どう考えても民主党政権に狡猾な両国を相手に立ち回るのはムリってもんです。
それにしても・・・寺島氏の途中までの解説は良かったけど、
結論が、「アメリカ頼みにせず自力で国を守れるようにしなくてはいけない!」「最低でも集団的自衛権を!」とか言うんだと思ったのにやっぱり寺島だった^^;
それにパイプの話なら、Chinaよりアメリカの方が先だと思うけど。
で、《日中、国連で激しい応酬 「盗み取った!」「言いがかりだ!」 【スーパーJチャンネル】》に関しても、寺島氏がコメントしていたので紹介します
寺島氏「・・・外務大臣の国連での中国の演説にボクはひとつクビを傾げた点がある。何故、尖閣は中国のものだと主張しているのかについて、ある論拠を言い始めた。
1895年に日清戦争が終わった後の下関条約で、日本が台湾を領有する話になったが、その台湾に尖閣がくっついてるというふうに主張しているんだなというのが見えてきた。
その中で1951年のサンフランシスコ講和条約で、国際社会に復帰する為に日本は台湾を中国に返還した。ところがその中国に返還した台湾の領域の中に尖閣をも含む沖縄のテリトリーはもちろん入ってなかったわけで、日本の論拠をむしろ明確に出来る論点を中国側が出してきたとボクは受け止めた。」
膳場氏「新たな糸口になりそうな気がしますね。」 寺島氏「うん。」以上
Chinaが国内外で「日本が盗んだ!」などのデタラメな歴史を喧伝しているので、アメリカが黙っていられるのも時間の問題かも。 竹島問題に関しても同じことが言えますね。
当時、アメリカは李承晩ラインに怒っていたんだし「どっちの領土か分からない」なんてありえませんから。
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