山本広和
テレビ朝日【サンデープロジェクト】
誰のための労組か 「北教組」"政治活動とカネ"独占潜入取材
昨年の小林千代美議員の北教組と一体化した選挙活動と、
事実上北教組トップの長田秀樹委員長代理への、
小林議員当選直後のインタビューなどを記録しました。
(以前書いたサンプロ特集と重複する部分も敢えてそのまま記録(青字はナレーション)
揺れる日教組傘下組合の闇を緊急追跡する-スタジオ-アナ「緊急特集は北教組です。一体誰の為の教職員組合なんでしょうか。」
女子アナ「内田さん改めてポイントをお願いします。」
内田氏「はい、日教組というのは全国28万人の巨大組織になりますが、各地の教職員組合があるんですね。北海道は北海道の教職員の皆さんの組合という事になるわけです。北教組ですね。
で、先週この北教組が去年の衆議院選挙で、民主党の小林千代美陣営の選挙資金として違法に1600万円を渡していたと。こういう疑いで4人逮捕されることがあったんですね。
私達は逮捕された、北教組の事実上の最高幹部である長田容疑者に、これ小林千代美議員の当選直後でしたけれども、一時間に亘ってインタビュー取材をしました。そこに北教組の言わば隠れた本音が見えていたと思います。」アナ「コチラご覧頂きます。」
-VTR-
馳議員「今ほど、衝撃的な未確認情報でありますが、
北教組の最高幹部3名が(検察に)出頭を求められるようであります。」(1日予算委員会)
レポーター「えー午後2時過ぎです。えー北教組に今地検の係官が次々と入っていきます。」
今月1日、札幌地検は北海道の教職員組合・北教組の事実上の最高幹部 長田秀樹容疑者ら4人を逮捕した。容疑は、北教組の幹部3人が共謀し、組織的に選挙資金計1600万円を小林陣営の会計責任者木村容疑者に渡したというものだ。逮捕された長田容疑者は、去年の衆議院選で北海道5区の民主党小林千代美氏の選対委員長を務め、日教組傘下の北教組委員長代理としておよそ2万人を率いていた人物だった。
「長田さん、ご存知だったんですか?!」「提供はあったんですか?!」
先の衆議院選で小林氏に敗れた町村氏は強く批判した。
町村氏「先の選挙でですね、
えーー民主党が労働組合の裏金で、まっ言わば票を買ったと、、」
実はサンプロのカメラは、事件の舞台となった北海道5区の選挙戦に密着。そこではまさに北教組の組織を挙げた戦いが繰り広げられていた。民主党・小林氏の出陣式。日教組のトップ中村委員長が駆けつけハッパをかけた。
中村氏「素晴らしい候補者を担ぐ事が出来て、
一緒に戦えるこの喜びに浸っております。日教組も最後の最後まで小林さんと一緒に戦い抜いて、爽やかにゴールテープを切る事をお誓い申し上げまして、????と激励の挨拶にさせて頂きます。」(拍手)
組合員28万人の日教組が、去年8月の総選挙で最重点地区の1つに位置づけたのがこの北海道5区だった。小林千代美氏は、食品系の労組出身、2005年まで3回連続で小林氏は小選挙区で負け続けた。それでも北教組は支援し続けた。そして相手は、自民党・文教族の大物、町村信孝氏だったのだ。更に民主党本部もこの選挙区を最重点地区とし、選挙戦初日に小沢氏も陣中見舞いに現れていた。.
小沢氏「マスコミの人ばっかりだな。ははははは」
スタッフ「事務所の方は?」小沢氏「あーどうもどうも」長田氏「選対委員長の長田と申します。」
小沢氏「あーー、はいはいはいはい、はいはいどうも。どうも、どうも」
小沢氏を出迎えたのは、北教組トップの長田容疑者。そして5区の選挙違反事件で起訴され先月有罪判決を受けた、連合札幌の元会長 山本(広和)被告だった。「ありがとうございます。」「じゃ、候補者にもよろしく」「分かりました」「はいはいはい」
小沢氏と長田容疑者は固い握手を交わした。
「5区に立ち寄った理由を」「それは皆さんお分かりでしょう」「5区、勝てそうですか」「そう思いますよ」
小沢氏が去った後、長田容疑者は中で掛けられた言葉を明かした。
長田氏「ここはね、全国でもね、注目区。
やっぱり政権交代の象徴区なのでとにかく勝つように一生懸命がんばれと。」
「今日初日にやっぱり代表代行が来るっていうのは、私も重い意味があると思いますんで、
そういう意味では決意を新たにして、勝利に向けて頑張りたいと、もう気が引き締まりました。これは候補にもきちんと伝えて戦い抜いていきたいと思います。」
更に鳩山代表や菅直人氏など党幹部が相次いで応援に入り、千人以上が集まった総決起集会には、多くの北教組組合員が駆けつけた。
男性「(どちらの組合なんでしょうか?)はい、あの北教組なんですけれども」
「(組合の同僚の方、大勢いらっしゃってました?)はい。みんな来てました。」
「(先生としてのね、お仕事もあります。選挙をやるっていうのはなかなか大変なんじゃないですか?)いやぁー、これは仕方ないんじゃないですか、どこでも。」.
選挙戦最終盤、
追い込まれた自民党町村陣営による日教組批判が繰り広げられた。しかし
長田氏「危機感に満ちた相手陣営のなりふり構わぬ巻き返しにも屈する事なく、団結して頑張ろうー 頑張ろうー 頑張ろうー」
陣営は組織を引き締め、小林氏は3万票以上の大差で町村氏に勝利した。
「バンザーイ バンザーイ バンザーイ」
当選に沸く事務所の中で、我々のカメラは小林氏と固い握手を交わす長田容疑者の姿を捉えていた。
長田氏「きっちり国会で返してもらうから」
小林氏「もちろん」
この直後、我々は長田容疑者の独占ロングインタビューを行っていた。
そこで語られたのは、今回の選挙違反事件の根底に広がるものだった。
内田氏「教職員組合にとってですね、この選挙で小林千代美さんを勝たせるという事にはどういう意義があったんでしょうか。」
-CM-
おととい我々は、今回の北教組違法献金事件の舞台となった小林陣営の選挙事務所だった場所を訪ねた。
内田氏「選挙の当時はココにいわゆる為書(ためがき)といういろんな人の応援のメッセージがダーッと貼ってあって、コチラ側に演台が築かれて、選挙対策の責任者であるとか、あるいは候補者なんかが、、我々はコチラから撮影してた訳なんですけど、ここに立って、えー勝利の宣言などもココでした場所です。」
何を国会で返してもらうのか、我々は当選直後、長田容疑者に尋ねた。
長田氏「組織で推薦して、
えーー要するに国会に送り出そうという事を、
組織決定しましたので、
そういう意味では、北教組組合がなんとか小林千代美さんを国会議員にして、
そして私達の本当、要求ですとか願いですとか、なんとかそれを国会で実現をしてほしいと、そういう意味で応援をしたという風に思っています。」
内田氏「日教組、北教組が応援する議員の所属する政党が与党になるわけですね(はい)。これから先のその教職員組合としての運動のあり方について今何かお考えの事ありますか。」
長田氏「今度(民主党が)与党になって、そして政権を運営していくわけですから、まっ、よりあのー私達の要求ってのは実現可能な部分も出てくるのではないか、、
これまで言ってきて駄目だったものが、現実的に法案として出されてこれが成立をするっていう可能性も出てくると思うんですよね。そういう意味では大いに期待してますし、私達の働きかけはしていきたいと思っています。」
しかしこの後、小林陣営には幹部の逮捕や北教組事務所への家宅捜索が相次ぐ。選対委員長代行を務めた、連合札幌の山本広和元会長が買収を約束したとして、逮捕・起訴され、先月札幌地裁は『労組の裏金を利用し、支払う予定の報酬総額は261万円と高額で大規模』と指摘し、
懲役2年執行猶予5年の有罪判決を下した。
そして今月1日、札幌地検は北教組が選挙資金1600万円を違法に提供したとして、長田容疑者など北教組幹部3人と、小林陣営の会計責任者を逮捕した。会計責任者は逮捕前、北教組側に資金提供を求めた理由をこう述べていた。
木村氏「まぁ要は、選挙が結果的には1年近く延びましたのでね、まぁそれに関わってまぁ諸々のそのー、事務所維持していく為の経費だとかなんとかっていうのがこう予想以上にかかったという、、」「なんとか工面を出来ないかっていうようなお話をした事は事実ありましたから、、」
小林陣営が選挙事務所を立ち上げたのは、おととし9月末。その後解散は先送りとなったが、事務所をそのまま維持した為、資金繰りが悪化したという。木村容疑者はおととし12月から合わせて4回資金提供を依頼し、北教組側から1600万円の違法なカネを受け取ったとされている。では、一体小林陣営は選挙にどれほどの資金を必要としていたのか、我々は北海道5区の運動費用を独自に調査。すると意外な事実が判明した。
内田氏「町村さんが全体で選挙費用として収入がおよそ1500万円あったのに対して、小林千代美さんの方はこの書類を見る限りは500万と。およそ1/3の収入しかない。ちょっと少ない感じがします。」
北海道選挙管理委員会に提出された選挙費用の収支報告書では、自民・町村陣営の選挙の為の支出はおよそ1500万円。
一方、民主・小林陣営の選挙費用はそのわずか1/3の500万円というものだった。そして小林陣営の選挙費用は、すべてが民主党本部からの寄付で北教組などからの収入はゼロだった。更に・・.
内田氏「小林千代美さんの方には、
選挙中フル回転した選挙事務所の借りた費用であるとかそこに掛かるお金、
そういうものが実はどこにも載ってないんです。
えーちょっと不思議な収支報告書になっています。」
報告書には小林陣営の会計責任者が北教組側から1600万円の資金提供を受けた理由、選挙事務所を維持する為の経費、事務所の家賃・月およそ30万円すらなかったのだ。これは一体どういう事なのか、我々は北海道庁の担当者に聞いた。
内田氏「何らかの記載があった場合にですね、そこが本当に選挙用に使われた事務所の費用なのかという事は調査されるんですか。」
山下氏「詳しくはですね、それ以上は追求しないっていうかですね、報告書に計上されているかというところだけですね。」(担当者)
小林陣営の収支報告書には、別の事務所が記載されていた。そこは小林氏が代表を務める民主党北海道第5区総支部が入っている建物だった。しかも事実上タダで借りた処理が為されていた。
内田氏「あの、東京から伺ったんですがテレビ朝日のサンデープロジェクトと申しますけれども、この間総選挙の時の、小林さんの選挙事務所ではない?」
女性「ではないです(違うんですか?) はい、違います。全く違うんで、、」
実は小林陣営の会計責任者は逮捕前、北教組側からの資金は『表に出せないカネだと思い、別口座で管理していた』と述べていた。実際使った選挙事務所費用の報告を避けた可能性があるのだ。では、北教組側が小林陣営に提供した1600万円の原資は何だったのか。
内田氏「北海道教職員組合、いわゆる北教組は強硬な運動スタイルで知られ日教組の中でも際立った存在となっています。」
北教組は、日教組傘下の労組の中でも高い組織率を誇り、一昨年には24年振りのストライキを行うなど戦闘的な教職員組合として知られている。そして北教組には他の労組にはない巨額の資金があった。
北教組幹部「現金がありますが、総額で18億円ございます。これは北教組の3万組合員の総意に基づきまして、、」
札束を積み上げ、教育委員会につき返す北教組の組合員。この18億円は北教組の組合員である教師に支給された”主任手当て”の一部だ。
「あくまで主任制度の撤廃を要求する、、」主任手当ては、学年主任などの教師に支給される手当てで、1日200円、月額およそ5000円が支給されている。
70年代の主任制度導入当時、
教育に『身分制度』を持ち込み、管理強化に繋がるとして、全国の日教組挙げての激しい反対運動が繰り広げられた。そこで起きたのが主任手当ての返還運動だ。しかし上部組織の日教組も主任制度を受け入れる流れへと転換する中、全国で唯一反対の旗を掲げ、手当ての返還運動を続けていたのが北教組だった。手当てを返上する組合員から集められたカネを教育委員会につき返す度に、道側も受け取れないと北教組に送り返す。
こうして宙に浮いた主任手当ては結果として北教組がプール。その額、一時およそ55億円にも達したとされる。だが、北教組はこの北教組のプール金が違法献金の原資ではないと主張した。
信岡氏「プールをされているのは事実です。間違いなくプールはされているし、それからあのー、きちっとした会計処理をして組合員に報告していると、、」(北教組・書記次長)
Q.「利息を渡したという事実は今の所ない?」
信岡氏「まっ基本的に今のところそういう事実はないと認識してますけども、、」
アナ「まっ、逮捕当日は組織弾圧で不当逮捕だと声明を出していた北教組なんですが、5日に来た番組への回答ですけれども『多くの皆様方にご心配をおかけしていることについて深く受け止めております』と、
まっ質問にはこれ答えてはないですけども、だいぶトーンが変わったという感じですね。」
内田氏「そうですね、まぁまだ容疑の段階ではありますけれども、あのーまぁ深く受け止めていると、しかしお詫びはしてないという事ですよね。あのーまっ、さすがに検察と全面対決できる状況ではないと判断されたのと、恐らくはですね、それとあと日教組自身は最初からこういう姿勢をとってますので、そこに合わせたのかなっていう風な気もします。」
女子アナ「内田さん、実際に選挙戦当時に取材されて北教組にどういった印象を持たれましたか。」
内田氏「ええ、あの事実上のトップだったわけですね、長田容疑者という人は。で、一時間ちょっと話を聞きましたけども、そのどうしてその組合が選挙闘争にこう突っ込んでいくのかっていう事についてのね、きちんとした説明はどうもあんまり説得力が無かった気がするんですよ。
で、あとはその選挙実務であるとかあるいは法律的な対応とかそういう事もしっかりしてるんだろうなと思ってましたら案外こう処理の仕方が杜撰だったっていう事はちょっとね、あとで推測は今成り立つわけですよね。
結果として、その組合員が果たしてね、本当にこれで良いという風に納得してやってるんだろうかという所に実は大きな疑問を持ちました。」
アナ「うーん、まぁお金のやり取りにしても、まぁああいったこう不自然なやり方、あり方っていう事についてですね、発覚するという風には考えなかったのかなぁと、、」
内田氏「それまぁ多分大丈夫だろうと思ったと思うんですが、
あのー北海道の5区っていうのはそのー、大変な激戦区で小沢氏も駆けつけますし、
自民党はですね、まぁ大変、こんな毒々しいパンフレットを撒いたりしてですね、
もう激戦区だったわけですね。もうどーしても勝たなくてはいけないっていうそのプレッシャーがあった事は、まぁ間違いないだろうなっていう風に思います。」
アナ「えーさて、この教職員組合の政治活動とカネの問題というのは、これは北教組だけに留まるんでしょうか、引き続きコチラをご覧ください。」
長くなったので、つづく・・
12月13日放送の、小林千代美議員と北教組の選挙活動の詳細は
《民主党の死角"日教組" (テレ朝 サンプロ) その1》(12/13)
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