増税
昨日のフジテレビ【Mr.サンデー】で「何故今消費税引き上げなのか?」というテーマをやっていたので記録しました。
解説の方は、ハーバード大学経済学博士なので、その辺のコメンテーターとレベルが違いますが、噛み砕いた大変分かりやすい説明でした(ただし、流れに関係ないタレントの発言、言い直しなどはカット)(青字はナレーション)
クリステル「はい。気になるニュースのカラクリを生で解説を。本日のドクターは慶応大学ビジネススクール准教授の小幡績さんです。よろしくお願いします。」
宮根氏「まぁ参議院選挙の最大の焦点、これ消費税なんですけども、逆に言うと、もう待ったなし。日本の財政はっ、てことですよね。」
小幡氏「待ったなしというか、だいぶ前から待ったなしなんです。ずっと上げられないで来た。」宮根氏「これ我々真剣に考えないといけない問題ですから、是非今日は分かりやすくお願いしますね。」小幡氏「今日は消費税、お題はコチラです。
〔"よい政府"ほど増税できる!〕
これは、増税しようとする政府が良い政府だって言ってるわけじゃないですよ。
その逆っていう事なんで、、(良い政府だと増税してもそんなに反発がないという事ですか?:ミヤネ)
うーん、そのとおりです。その点を詳しく今日はやってみたいと思います。」
クリステル「もしも消費税が10%になったら、一年でどのくらい消費税を払うのか、、」
宮根氏「消費税の年間負担額、約33万円。夫・専業主婦・子供2人 年収600万円の家庭でも33万円。消費税5%の時よりも15万7千円もこれ出費がかさむという事なんですが大変な額ですよね、これ。」
小幡氏「まぁそうなんですけれども、税金は何を上げても要は負担、増えるわけです。それなのに何故あえて今消費税に絞って議論が行われているか、それを考えていきたいと思います。」
宮根氏「じゃあ、早速行きましょうか。何故今消費税を増やす議論なのか。ミヤネタッチ」
小幡氏「消費税は税金界の優等生という事で(優等生なんですか?) 優等生なんです。
その理由をすぐ解説します。コチラです。」
宮根氏「数学者フランク・ラムゼイ」小幡氏「その人が考えた最適課税の大原則をラムゼイ・ルール。この人1930年代もう死んじゃった方ですけれども、それを参考に色んな国で税があります。(パネルの ポルノ税・ゲップ税・犬税・新聞発行税の 説明 )
この根底にあるロジックは、税金をかけても変化が少ないもの、つまりその税金をかけるっていうのは、要は経済活動を邪魔するってことです。どうせ介入するんだったら、なるべくひずみの少ないもの。みなさんの行動が変わらないものの限れば税金は取られちゃうけど基本的には行動パターンは変わらなくて、民間経済はこれまでどおりという事なんですね。」
小幡氏「次行ってみましょう。
消費税以外に選択肢としてあるのは所得税と法人税っていうのがまぁ有名ですね。
ところがこの2つは税金をかけると、逃げちゃうんです。
何が逃げるかって言うと、所得税をかけると今景気が悪くても、高額所得者います。この人達は海外で働こうと思うわけですね。シンガポールで働いて日本にたまに出張に来れば良いと。人間が逃げられちゃう。
企業にいたっては、もっと簡単ですね。元々中国とか他のところが賃金が安いから海外に工場を移そうと思っている時に法人税をかけてしまったら、上げてしまうと、さらに海外に移転してしまうという事で、税金は取れないし、日本は空洞化しちゃうし、これ良い事は何にもない。(雇用も減ると、、:ミヤネ) それだったら、消費税の方がまだマシではないかということです。」
宮根氏「まぁこうやって他の国と比べると、日本の消費税って安いですよね。」
小幡氏「そうそう、ヨーロッパは特に人の移動・企業の移動、まぁ国境が近いんですぐ出来るという事で、みんな高い消費税でほぼ統一してます。」
(で、日本は今でも法人税が高いと、、:ミヤネ) 法人税は高いので、消費税は相対的にまだ上げる余地があるという事で、まっ効率的にも消費税なら人々はそんなに移動しないと。
宮根氏「という事は、色んな税金の選択肢がある中で、まぁ消費税が一番影響が少ないかと?!」
小幡氏「まだマシだという事で、消去法的に選ばれたのが消費税ってことですよね。」
宮根氏「さっ、消費税に問題あり。 ミヤネタッチ
ギャクシン制とケイゲン税率」
クリステル「はい、そこで消費税の問題が議論されると必ずクローズアップされるのがこの問題です。」菅総理「消費税の持つ逆進性を改めるために、複数税率、、」(VTR)
と菅総理も頭を悩ますのが消費税の逆進性。食品などの生活必需品も高級車などのリッチな買い物も一律5%がかかる消費税。
生活が苦しい人もお金持ちも税率は同じ。ということは所得が低い人ほど家計の中から消費税を負担する割合が多くなってしまうこれが消費税が抱える逆進性なのです。
対策として検討されるのが、低所得者に税金を払い戻す還付制度。
しかし、所得の線引き、国民全員の所得を正確に把握できるのかなどなど問題は山積。そしてもう一つの対策は生活に欠かせない必需品の税率を下げる、軽減税率の導入。
ヨーロッパではほとんどの国で導入されていますが、そこでは予期せぬトラブルが次々と発生したのです。
(付加価値税が来年から20%になるイギリスの取材。値札に税金の表示はなくレシートに表示される。フルーツは0% 水は15% 花・下着課税 子供服は非課税 ・・と、線引きは複雑で、メーカにとっては死活問題。
数々の訴訟がおき、国民的お菓子のジャファケーキ ケーキなのかチョコビスケットなのか、3年に及ぶ裁判でケーキで非課税判決が出たという 非常に線引きがややこしいという話 略)
宮根氏「まぁ日本でも複数税率・還付という話ももちろん出てきてるんですが、
さぁここですよ。皆さんにとって良い税金とは ミヤネタッチ
これが知りたい。社会保障の充実」
小幡氏「まぁ突然ギャップがあるような感じなんですけども、
実は消費税取る時に、貧しい人はどうこう、必需品ではどうこうって、今ご覧になったように、非常に手間がかかるし、公平性の問題もあるしややこしいという事で、
じゃあ、取る時じゃなくて、集めたお金を配る時にその貧しい人には手厚く、お金持ちには配らないという事でどうかと。
例えば医療であればもし、医療に100万円かかるとすれば、お金持ちだったら元々100万払っても構わないですけども、貧しい人は100万円払えない。だから全員に保険がかかって一律で安い値段で診療が受けられるいう事であれば、貧しい人に有利だって事。」
宮根氏「年金・福祉もありますけど、じゃあ小幡さんの考えで言うと、消費税ってこれ目的税で使った方が良い?」
小幡氏「まぁ社会保障に関しては、あの逆進性を解消する効果がありますので、そういう目的に絞ってやるのは良い事だと思いますね。
ポイントは配る時にやるという事で、その逆進性を緩和するということがあります。
ただ、社会保障でやるって言っても、それにはもうひとつ必要なものがありますね。
それはコチラです。これまず実際に税金の負担ですね。
実際の負担率、日本は凄い低いんです。
これは素晴らしい事かと言うと、実は全然逆で日本は政府が信頼されてないんで、みんな税金を上げるのに反対したんで上げられなかったって事なんです。」
宮根氏「まぁスウェーデンなんかは、もうとにかく税金いっぱい取られるけど、老後は安心だよっという、、」
小幡氏「そうです。これ右側に出たオレンジとか赤の棒ですけど、これ実は国会への信頼度っていうのを世界各国で千人にアンケート調査を取ります。
日本は国会に対する信頼が諸外国から比べて、これ断然に低いんですね。」
宮根氏「という事は日本政府がまず信頼を取り戻すという事ですね。」
小幡氏「まさにその通りです。それで今日のお題に戻って、
〔"よい政府"ほど増税できる!〕
つまり、増税が必要なんだけれども、その国に、、どうするかと言うと、政府が信頼されてないままでは増税出来ないというのがずーっと続いて来たわけです。
宮根氏「だから良い政府を作るのが先だという事ですね。
まぁ赤星さん、信頼っていうのは、どれくらいお金がなくって、お金がないからじゃあこれくらい消費税、みなさん負担してくださいねってちゃんとわかりやすく説明してもらう事ですよね。」
赤星氏「そうですよね。国民が分かれば納得してくれると思うんですけどねぇ。」
宮根氏「それが信頼ですよね。借金返すってのはどうなんですか?」
小幡氏「借金返す理由は、借金しすぎると国債がこれ以上発行できなくなって、金融市場がおかしくなって、経済が崩壊してしまう。その恐れが出た時には、借金をまず返さなくてはいけないんですけれども、いずれにせよ、信頼を受ければ将来政府が借金もちゃんと返すだろう、無駄遣いしないだろうという事になるので、流れは全部良くなるんですね。」
宮根氏「そうか、全部、信頼だ。その信頼を我々に植え付けて頂きたい。今回の選挙戦でという事ですね。さっ続いて・・・」以上
図らずも、前記事の与謝野さんの話に沿ったカタチとなりました。
忘れてはならないのは、民主党マニフェストのバラマキ政策を全部やろうとすると、消費税だと20%くらいかかるという事です。とすると、民主党政策では、消費税アップしても社会保障に回らないですよね。
でも最低賃金7万円というのも打ち上げてるし、どうするんでしょう?!
あと、近いうちに環境税の家庭負担というのも出てきます。これも逆進性と地域格差(燃料代等)のある負担です。
そもそも!! 民主党政権の、「バラマキは止めないけど消費税は上げたい」っていう主張はおかしい。
血眼になって事業仕分けやっても、財源確保出来ないことがもうハッキリしてきたんだから、バラマキ政策を止めるのが先決で、止めるまでは消費税を口に出す資格ないと思いますけどね。
やっぱり私、消費税は社会保障の為に使うという目的税にしないと納得できないなぁ。
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