佐高信

2018年01月22日20:29【西部邁】「東京裁判はアメリカの日本への復讐裁判劇・法律的裁判を装った見せしめ劇」 『聯合艦隊司令長官 山本五十六』映画評と当時の政治状況 【西部邁・佐高信の学問のすゝめ

前記事のつづきです。

朝日ニュースターのトーク番組【西部邁・佐高信の学問のすゝめ】で

特に面白かった回の紹介

2本目は、東京裁判、ミッドウェー海戦、戦争賛美の新聞社(朝日・毎日)、米軍相手の娼婦・ 「パンパン」というコトバの由来話など

西部氏がこの映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六』を、「これまでの戦争反対・帝国軍人は悪い人たちだと子供っぽい色づけしたものと違う」とかなり絶賛し、

「あの戦争を強引に押してたのはメディア」と言ったら、佐高氏も「朝日、毎日が競って」と・・

西部氏の前では、佐高氏がマトモなのが何とも滑稽です

«映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六」映画評と当時の政治状況 【西部邁・佐高信の学問のすゝめⅢ】»2012年2月 6日

朝日ニュースター【西部邁・佐高信の学問のすゝめⅢ】(1/28)で、日米開戦70年を記念して 昨年末から公開されている歴史大作映画、

成島出監督 「聯合艦隊司令長官 山本五十六」
第二次世界大戦に日本がいかに突入していったのか。その戦争を阻止すべく異論を唱えた山本五十六はじめ、海軍大臣米内光政や軍務局長井上成美などの姿を描いている。

を、当時の背景を踏まえて西部・佐高両氏が1時間語るという番組をやっていたので記録しました(流れはそのまま要約)

この事を知った上で、この映画を見ると深い部分が見えてきそう。

特に東京裁判・ミッドウェー海戦・戦争賛美の新聞社(朝日・毎日)・現在のイランの立場と当時の日本の比較・パンパンの話など、興味深かったです。

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佐高氏「西部さん、今回は山本五十六という事になったが、予告編を、、」(映画 山本五十六の予告編 削除)

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佐高氏「実は、山本五十六の評伝を書こうと思った事があって、西郷隆盛書いて、福沢諭吉書いて、次に五十六かなと。ある新聞でアレしたが編集長が替わって、原敬になったが。西部さんは五十六については?」

西部氏「1ページもないが、山本五十六は長岡の人で、僕も1/4長岡人。その前の幕末の河井継ノ助も長岡で、河井、山本と来ると1/4位は同郷のよしみで(笑)ある好意を感じる。

僕は成島監督とあるバーで1年に1ぺん位接触がある。最近凄く活躍している若い監督。

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ただこの成島映画をまとめていうと・・・丁度去年真珠湾攻撃の70周年か、それを気にして作ったんだろうが、

例えば、映画評論家の寺脇研さん(元文部官僚)・脚本家の荒井晴彦さんたちが僕に、『山本五十六はもしも生きていたらA級戦犯でしょう』と。

それはそうだと思うが、ちょっとまとめて言うと、つまり東京裁判って言うのは、つまりアメリカのね、日本に対する一種の復讐裁判劇というか、法律的裁判を装った見せしめ劇だと思うが、その見せしめ劇に山本五十六が生きていたら主犯だとなっていた。なんせ真珠湾攻撃を始めた人だから。

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とすると、、あんな裁判は見せしめ裁判にすぎんという事を、山本五十六という人物を描く事によって、五十六はなかなかの面白い人物だったと描く事によって、

いわゆる渡部昇一さんなんかが言ってた、東京裁判史観というか、あの戦争は悪い戦争であの戦争を推し進めた人達はね、悪い政治家で、悪い軍人さんなんだというね、で、66年戦後続いたそういうものをね、ある程度払拭するっていう意味で、

山本五十六はなかなか面白い人物であったと。この人が戦争を始めたんだと。それ故にといっちゃ、、あの戦争に対するものの見方をね、大きく軌道修正しても良いんじゃないかって、、

もちろんこれ政治映画でもイデオロギー映画でもないので、そういう解釈は強引だが、でも、でもそういう事で作ったのかな~となるんですかね? 良く分からないんだ。」

佐高氏「私はそう深くは考えないで見たが、つまり指導者の責任みたいな事は、きちっと描いていると思った

つまり、私は書こうと思ったくらいだから、ある程度の親近感はあるわけで、

つまり、最初は開戦反対で、陸軍から暗殺されかねない形で頑張って、始まったらやっぱりその場の責任としてやると。(あ~そういう事か) だから責任っていうのを引き受けてると。指導者、、」

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西部氏「仰る通りかも知れない。でもですな、あの戦争は最初から、自由民主主義 対 言わば全体主義というイデオロギー的構図の中で戦った世界戦争で、総力戦と言われているもの。

あれは当初からね、大戦争が始まったら、地域的には首都を落とすまでね、あるいは相手の軍隊を壊滅させるまで、もっと言うと、相手の国民・民族にね回復不可能なダメージを与えるまで終わるはずのない戦争だと。

これはね、日本がそういう風に深く考えていなかった。日清・日露はいくつかの戦役で勝利を収めれば講和で、賠償金払って領土を一部割譲して、戦争お仕舞いという事だったが、

総力戦なので相手の国家の背骨を折るまで止めないって戦争を分からなかった日本。あるいはその1人である山本五十六が、これ有名な話だけど、『半年ぐらいなら存分に暴れてみせましょう』 と言ったと。

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そんな半年でやったって、これ古い戦争だから。半年で真珠湾襲って、例えばミッドウェーで勝ったとして、アメリカがダメージ大きいから負けたことにするというような、生易しい戦争じゃなかったのに、山本五十六は始めちゃった。

これは悪い戦争を始めた責任じゃなくて、軍人として総力戦において見通しのないまま戦争を始めた軍事的責任のようなものは残るんだろうね。」

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佐高氏「私は石原莞爾という人を書いた者から見ると、石原莞爾は逆に戦争の火をけておきながら、戦後は責任取らないで、『俺を戦争犯罪人に何故しないんだ』と言ったと。

ここは山本五十六と逆転していると思う。山本五十六は反対していながら突っ込まざるを得なくなった。で、講和というのは軍人の責任かっていうのがある。

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つまり日露の場合は、ルーズベルトを引っ張り出しているが、今回はアメリカを叩いちゃってるから講和で頼るところがない。」

「そうだよね。最終段階ではソ連に頼もうという(笑)」

佐高氏「なんか責任とかいうものも、ある種限定的に考えなければならないとすると、石原莞爾よりは数段(笑) アレじゃないかと。」

西部氏「それはそうだ。僕はそれはわかる。軍人だから言わば政治が始めることに、軍人はその場で辞めないとしたら、命令だからやるしかない。ただそこの問題は残る。軍人は辞めることができる。

もしも、しかし半年で終わるはずのない戦争、アメリカのワシントンを奪わない限り終わらない戦争を、、 辞めることも出来たんだよね、本当はね。(でもー、あの状況だと) 出来ないよね(笑)  (あのままだと暗殺されますよね?) そう。陸軍の過激派にね。」

佐高氏「それとある種、こういう山本五十六は偉かったという映画の場合の常だが、マイナス面が出てこない。」

西部氏「あなたになり代わって言うと、要するに山本五十六は2号さんがいたわけよね。モテた男。もっと言えば女遊びが激しい、、その辺りのことはきれいさっぱり削られてるのね。

でも事情があるらしいよ。この映画は山本五十六の遺族会のサポートを受けて作られているので(エピソードをもらうとか)、遺族会の気持ちを傷つけるような場面は、、映画といえども一つの商売だからね。」

佐高氏評伝・人物スケッチする場合、必ずそれがネックになる。遺族は自分の身内のものだと独占しがちだけど、ある種、それを超える側面があるわけで。」

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西部氏「そう、それで、これは言っていいのかな~?? 僕はあの硫黄島(いおうとう)にね、一度行ったことがある。昔そこに暮らしていた人・遺族は行けるが、今は簡単にいけないくて、自衛隊員が二百何十人いるだけ。

遺族団の許可を得て行った時に、埼玉の入間の自衛隊飛行基地から輸送機みたいなので出発して、

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前の晩に遺族団の集まりで、その時僕、硫黄島の西大佐ね、オリンピックのバロン・ニシ。 あの人の末息子さんが遺族団の団長で、『遺族団以外の人が参加しているけども、この戦争について、この遺族団はある悲しみの気持ちをもって、弔ったりなんなりするんであって、それ以上のあれこれの言動は差し控えて頂きたい』と言われたとき、

僕はその気持ちは重々分かりながらも、でも同時に硫黄島のね、激戦は別に遺族団の私物じゃないし、そこで何を感じて何を考えるかというのは公の問題でそこまでチェックされる謂れはないのになと、ある不満を心に持ったのは確か。

まぁ別にそれに逆らう気もないんだけど、得てして戦争の遺族団にそういう傾きがありそう。これは私の先祖とか、、でも、あれは国家の問題ですからね。」

佐高氏「そうなんですよね。だから山本五十六の戦略・戦術を論ずる場合に、確かこの中(映画)で激しくやっている時に、将棋を指してるのが出てくるが、その場面だけだと、逆に山本五十六という人が矮小化されていきますよね。」

西部氏「しかも、僕は将棋ってのはある話だとは思うが、とにかく大将たる者、そこで気が動転したり焦ったりしたらダメなので、泰然自若と将棋を指しているという貫禄によって、全軍にある落ち着きを与えるという芝居だろうが、でもそこは難しくて、どういう風に受け取られるかね。」

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佐高氏「それとやっぱり女性に博愛の人がすべて良いという話じゃないが、やっぱり男に好かれる人は女にも好かれるという側面はありますよね。」

西部氏「アンタ、優しいのにね(笑) 」

佐高氏「いやいやリーダーの条件って言うか、、そこを描かないっていうのは山本五十六を逆に小っちゃくしていると思う。」

西部氏「そう。ただ僕はもうちょっと、、確かに時代が時代だし、ましてや指導者だから、2号さんや10号さんが居ようがいいが、案外、その異性の存在は、男にとって女性の存在は危ない面もあって、

これは勝手な想像だが、これから何百万死ぬだろう大戦争を仕掛ける時に、本人だって大不安なわけで、その不安は不安でじっと自分で引き受けて、あれこれ考えて決断するのは物凄い厄介なことで、

その時に簡単に女の所に簡単に行っちゃうと、自分の不安を中途半端にして、大物は結構女性の前で見栄を張る。そうすると奥さんじゃない女性は『すばらしいわ』となって、、案外男なんて山本五十六と言えども誰でも、後でヒーローとして扱われているけど、現場感覚だとそんなヒーローなんてほとんど居ない。と考えてると、女の問題は、どう描くかは別として重要なファクターであるんだよね。」

佐高氏「つまり、悩まないって問題は大きいわけで、悩まない人として描かれちゃってる。賢婦人がいて、、」

西部氏「結構こういう弱っている男たちがね、実は、表は大言壮語しているが、心の中で女に救いを求めているという、そういう男たちを本当に山ほど見た

僕だって、しがみ付きたくなかったわけじゃないけど、それをやったらオシマイだという感覚が根強くあった。まぁ美学と言うか、北海道から来た田舎者の限界かもしれないが。

それを1万倍膨らますと、五十六さんだって危ないとこあったんじゃないかなって気になる。違うかも知れないんだけどね。」

佐高氏「だから揺れを描いてほしかったと言うかね。だから揺れが将棋しかないっていう、それがちょっと五十六ってそんな人だったのかという、、」

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西部氏「そう、ヒットラーだって、エヴァ・ブラウンとねぇ、もちろんあの人はアドルフ君はどっかちょっと精神がノーマルじゃないとこあるからだけど、

でも、ヒットラーという人物を描くときに、いっつもエヴァ・ブラウンの事も合わせ鏡のように描かないと分からないってことがある。」

佐高氏「なんか、物凄く謹直な人として描かれすぎる。」西部氏「本当に良きパパみたいなね」

佐高氏「遺族の気持ちも分からないではないが、どうぞお好きに描いてくださいというのが遺族の態度ではないかなと。」

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西部氏「特に硫黄島の栗林中将は本当にひたすら良きパパなので、それとの対比で山本がどういう人だったかが気になる。恐らくかなり栗林中将と隔たった生き方・人柄だったんだろうね。」

佐高氏原田美枝子演ずる奥さんが賢婦人で、そうかも知れないけどというのがある。」

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西部氏「例えば真珠湾攻撃の南雲中将に任せとか、肝心要の半年後のミッドウェーも南雲に任せて、成功とは言えない状態に、、

もしもその時、どうして自分が信頼もしていないどっか疑っている南雲に任せたかってな事まで気になったりね。

そういう山本五十六の人柄のブレをね、描くためにはプライベートライフのブレを同時に描いてくれた方が分かりやすかった。」

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佐高氏「あのー、ヒトラーのマインカンプに、日本人を劣等民族視している指摘があると。でそういうのを若い将校たちに嗜めたりする場面もあったので、その辺はかなり丁寧に描いている反面、ちょっと神様にしちゃったなと。」

西部氏「例えば真珠湾でも『失敗だった』というセリフがあったが、これはアメリカの空母が実際に居なかったんだよね。だから戦艦をやっつけただけなんだけど、

それもアメリカ軍軍事基地の徹底的破壊を南雲がしないで帰っちゃった。(ある種の派閥争いの中で、、) そうなんだよね。

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これも山本五十六のせいじゃなくて、海軍全体の東条英機派・統制派の息のかかった人たちを送り込まれているから、五十六さんにはどうしようもなかったのかも知れないけど。」

佐高氏「まっ、全体的にはかなり丁寧な映画だなと思うが、、」

西部氏「そう思いますよ、特にこの時期にこういう形で、これまでは戦争反対でさぁ、帝国軍人は悪い人たちだと子供っぽい色づけ、それから遠く離れたまぁ、ちゃんとした映画だと思う。 」

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西部氏「この映画、奇しくもタイムリーなことになってると思うのは、いわゆるABCD包囲網が、日本に対して経済封鎖を仕掛けてきて、最終段階で油を売らないくて日本は干上がってくる。

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それで突破口を求めて、なんとか大東亜共栄圏と言われていたが、それ以上にもう遮二無二でもこの経済封鎖の網を破らなければ国家として自存できないというギリギリまで来てたのは、ちょっと描かれているが、もう一つは援蒋ルートを、、だから日本が真珠湾を襲う前から、既に戦争は始まってる。

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奇しくもと言ったのは、現在イラン・ベルシャ湾でホルムズ海峡封鎖あれ、アメリカ・イギリスなどが完全に経済封鎖を仕掛けて、イスラエルその他も加担しながら最終的にはイランの核開発施設を軍事的攻撃する寸前まで行っている。

そこでイランがその突破口を求めてホルムズ海峡封鎖に出るという相当キナ臭い、、

恐らく、あの時の日本もそれに近い感じの、少なくとも為政者にとってはジワジワと首を絞められてるっていうね、そこでバーンと爆発したのが日本として軍事的・政治的に巧みだったか下手だったかという議論は可能かと思うが、

大きなマクロ的な歴史の振り返りから言えば、起こるべくして起こった戦争だと。

ペルシャ湾のホルムズ海峡はどうなろうが、あそこまで状況が煮詰まってきたら、何が起こっても不思議じゃない、その寸前まで来ている。

そんなことを考えさせられるという意味で、僕は観客がそこを分かってほしいなと思う。

よくさ、白人帝国主義なんて一言で言うけど、具体的に、、

例えば日本人がアジアを侵略したと、この場合の侵略って言うのは、あってないような国際法を、、自分の方から、軍事的先制攻撃を仕掛けるという意味での日本の侵略は数々あるが、
でも、その前にインド・ビルマにイギリスはいる。フランスはインドシナにいる。オランダはインドネシアにいる。アメリカはフィリピンにいるって、、オマエたちどうしてそこに居るんだよって言われたらね、

人種の問題じゃないけど、白人たちが権力を握っているその当時の帝国主義諸国が、偉そうにね、日本のことをああだこうだ騒ぐなんてのは、僕に言わせりゃ子供の時から思ったけど、1ミリも出来るわけないでしょと、。

そういうことを考えさせる映画、、考えてくれと、、」

佐高氏「つまり、繰り返してるなと思うのは、アメリカとイギリスが大量破壊兵器云々で爆撃したが、大量破壊兵器はイラクになかった。あれは侵略ですよね。(間違いなく侵略だよ ) そうすると、それがまた違った形になると。

今、新聞なんか見てても、やっぱりイランは悪者で・・みたいな論調ですよね。だから私はこの映画を見て一番思うのは、そういう状況の中で山本五十六に無限の責任はない。有限の責任の中でそれなりのことをやったと。

だから無限責任でやると凄い辛い評価になるが、あの状況の中で敢えて無限責任を要求するでしょ。山本五十六だったら全部何でも出来たような、でも出来るわけがないわけで、、」

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西部氏「本当にそういう事を色々と考えさせられる。映画では、具体的に言われてないけど、僕あの当時の諜報合戦・スパイ合戦が、真珠湾を襲ってみたら実は空母が居なかったり、

そうすると、少なくとも仮説でいいけどさ、やっぱりアメリカは戦争に引き込んだんじゃないかと。空母が一隻も居ないようなパールハーバーというのは、アメリカは相当程度のことを分かった上で、日本に襲わせたかもね?!と

何もそれを書かなくてもそういう風に感じて、それでアメリカの『リメンバー・パールハーバー』なんて戯言にね、よくもまぁ66年前から言い始めたもんだと

ちょっと話し外れるが、本当に杜撰だなと思うのは、例えば1時間前までに宣戦布告する云々なんて言うが、真面目に考えてくれと。

もちろんワシントンの日本大使館が翻訳が遅れたとか馬鹿な事はあったが、それ以上に、

そもそも戦争というのは、先制攻撃から始まる。どうぞ皆さん存分に備えた上で始めましょうねって、別に将棋さしてるんじゃないから、やっぱり勝つために襲うわけなので、ギリギリまで相手に教えない

厳密に言うと、あの宣戦布告事自体ね、単なる飾りの、、

そのそこだけ膨らましちゃってね、日本は不法な戦争を始めたなんてね、そういうちゃちな話に戦後の日本は全部巻き込まれるんだから。」

佐高氏「ちょっと話変えるが(笑)、真珠湾のかなり難しい攻撃は、北海道で、、」

西部氏「そうそう、千島でのあそこからずっと南下してった。」

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佐高氏エトロフ発緊急電で、佐々木譲さんが書いてる。あの段階で、やっぱ察知されてますよね。」 西部氏「と思うよ僕は。」佐高氏「察知されてないということはないでしょうね。」

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西部氏「よく言われているが、日本が襲ったときにさ、チャーチルが手を叩いて喜んだと。要するにアメリカを巻き込みたいわけね、イギリスは。

ルーズベルトもやりたかったんだけど、開戦の口実がなかなか見つからないと。そこで『リメンバー・パールハーバー』と。

リメンバーという言葉には『記憶せよ』と『思い出す』と言う意味がある。

僕は日本人は『思い出せ 真珠湾を。あれはやむ終えなかった』とかさぁ(笑)『なかなか山本五十六はがんばったんだ』とかさぁ、そういう意味でのリメンバーをしてもらいたと思う(笑)」

佐高氏「石川好はアメリカ人が『ノーモア・ヒロシマ』で、日本人が『リメンバー・パールハーバー』と言うべきだと。

まぁしかしあまりに戦争は、具体的にどういう形で起こるかを知らなすぎるから、丁度良い映画、、」

西部氏「ホントに、ホントにそう思いますよ。それから今の日本人には分からないことかも知らないが、第一次世界大戦が終わって、パリ講和条約で集まったときに、日本は講和会議で提案した。

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要するに人種差別をやめようと、ガンガン頑張った。ところがそれを適当に誤魔化したのがウッドロー・ウィルソンだ。アイツらですよ。巧みに日本の提案をチェアマンとしてすっぽかして、人種差別廃止国際条約みたいなのをすっぽかした。

案の定、それから5,6年経って、カリフォルニアで日本人移民排斥って、、そんなことにヒステリー起こしているんじゃないが、

帝国主義が絶頂に達したと同時に、やっぱり人種差別もね絶頂に達してたんだよね。

要するに民族皆殺しっていうジェノサイドっていうのは、別にユダヤ人だけの問題じゃなくて、あの時に帝国主義戦争が勃発した時には、他国民・他民族は絶滅しても構わないという、だからアメリカだってそういう思想のつながりで原爆も落とせるし、東京空襲その他で何十万もねずみのように焼き殺すって事、、怒ってるんじゃない、そういうもんだったって事を、、」

佐高氏「ウィルソンがアイツになってました(笑)

ただ、この映画で強調したかった事で、私もそのとおりと思うのは、当時は新聞ですね、つまりメディアの責任。新聞が煽ってんですよね、完全に。軍部の方がむしろ、特に五十六なんかは戦争したくなかった方だから、躊躇っていると、『そんな事で!』って煽るわけでしょ、新聞が。」

西部氏「いやこれ恐らく映画のレベルでここまでハッキリと主張したのはこの成島映画が最初じゃないかな。ちょこまかはあっただろうけどもあの戦争を強引に押してったのはメディアであるというね、小さい声で言うけど、あの映画に出てくるあのナントカ新聞ってのは朝日新聞の事だよね(笑)

佐高氏「まぁ、朝日、毎日が競ってね」

西部氏「毎日もやってたんだけどね。本当に敗戦の日まで頑張ってるからね、メディアはね。でも世間に知らされてないけども、実は意見を変えたんじゃなくて、新聞社内での権力の転覆が起こるんだよ。それまでジッと控えてたリベラル派が、敗戦と同時に会社の編集権とかを握って、そういう形で戦後が始まるんですがね。」

佐高氏「それがある種の政権交代みたいにして、新聞の責任はなかったみたいになっちゃったんです。」

西部氏「この映画はそれが執拗に描かれてますよね。」

佐高氏香川照之、編集局長みたいな人がね」

西部氏「三国同盟を結んで、これぞわが民族の正しい道だと言って、山本五十六他にプレッシャーをかけ続けると」

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佐高氏「だから昭和20年8月15日に、新聞の戦争責任で辞めた人って、朝日新聞を辞めたむのたけじしかいなかったんですって。一人でもいたのが救いなのか、一人しか居なかったっていうことなのか(笑)」

西部氏「これはちょっとズッコケた話だけど、好戦主義。(戦争の女神の話 略)メディアも戦争が大好きなんだけど、この映画でもちょっと描かれていたけど、やっぱり女たちも、男たちが戦うのを見るのが好きなんですよね。

結構、あの時代の女たちは戦後、夫と子供を戦争に取られてかわいそうな女たちみたいな話か出てこないが、同時にいかに女たちが戦争を煽るのが好きかというのを僕はもうちょっと描いてほしかった。」

佐高氏「なるほど~。まぁ煽られて行くのが男ですからね。そういえば戦後パンパンという変な言葉ありましたよね、娼婦。米軍相手の

で、あの人たちの事を書いた中で、彼女たちから見ると、日本の男は打ちひしがれてて魅力なかったと。(そうね~) 敗戦国の男たち。で、やっぱり米兵の方が魅力があったと、、」

西部氏「女はやっぱりね、危機的な状況では、金と権力の周りに女たちは群がるんですよね。だからパンパンもそうだと思うけど、

ところでね、たまたまテレビ見てたら、フィリピンの米軍基地があった時の話で、パンパンって言葉が出てきた。米軍基地があった近所の村の名前がパンパンだった。そこに米軍相手の娼婦が、、それ(言葉)が日本に持ち込まれた。

それを見ただけでも米軍が、フィリピン経由で日本にやってきたっていう事は、タガログ語のパンパンという言葉を見ても明らかなんだよね。」

佐高氏「でも、新聞の責任っていうのはもう少ししつこく丁寧に言わないとアレだ。」

西部氏「それと世論というものの怪しげさね。そういうメディア世論の作り出すひとつのムード・雰囲気・気分の中に、多くの人がワーーッとなだれ込むという、やっぱりデモクラシーの根本にはそういう動きがある。

ですから大戦争こそはまさにギリシャの昔から民主主義につきものみたいなところがある。アメリカだって民主党時代に大戦争やることが多い。

だから民主主義はね、平和主義なんて、、平和と民主なんて言葉はねそう簡単に吐くなよと。

だって民主主義というのは多くの民衆の気分を集めないと民主主義は成り立たない。それが世論だが、それは雰囲気であり気分であると。.そうすると戦争と結びつきやすいものだ。」

佐高氏「だから民衆が愚かであるか賢明であるか。賢明だという前提に立っちゃうからね。(西部氏の弟分の佐伯啓思が竹中平蔵を産経新聞でこてんぱんにやったのと話など 略)」

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佐高氏「山本五十六って、米内光政とか井上成美とか海軍三羽烏とか言われて、、この映画見る限り、それなりにもちろん山本五十六の支持者も居るが、強力な反対者も海軍の中に居て、そういう人たちに対する働きかけっていうのはあまりないですね。

俺は俺、あいつはあいつの道を行けみたいな、、」

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西部氏「昔、戦記物をまとめて読んだ時に、海軍の中にドイツ帰りで、鹿児島出身の神重徳が中堅幹部でいて、強烈に三国同盟で対米決戦、、

陸軍は親米英で、海軍はドイツ派だという単純な対比があるけど、どうも海軍だって中堅幹部たちはドイツ帰りでしょ。1930年代ナチズム・ファシズムが熱狂を持って一般民衆から支持されているという光景を見て帰って、、なんか滅びつつある帝国のねぼやけた戦略・戦術を真似してどうするんだー!っていうね、強烈にドイツ派が海軍の中に居たんでしょうね。

したがって上の方は若干、米内光政から始まって親米なんだけど、やっぱりその中堅と上層部の間に乖離があったんでしょうね。」

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佐高氏「だから城山三郎さんは、17歳で海軍の海兵団に入って、ハンモックの上で寝かされて、夜中にそれを訓練だー!と切られて、、だから海軍が合理的だなんて戯言だって書いてある。」

西部氏「(この映画は)歴史の大きなひとコマをもう一度66年ぶりに新しい角度で描こうとした、、」

佐高氏「海軍の山本五十六が居る所にむ、陸軍の青年将校が押しかけて、鉄砲を向けて。そういう対立みたいなものもあったという事が丁寧に描かれているという。」

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西部氏「やっぱりね、始めた以上は、本土決戦まで行っちゃったらどうなんだと、徳富蘇峰は言ってたし、それから何十年か経ったら、ベトナムはまさに自分たちの本土で十年戦争をやってアメリカを追い返したし、アラブも色々とがんばってるしね。

日本は見事な戦争をやったんだけども、結構なんか負け方は不甲斐ねーなって(笑) 僕の子供の時からの(笑) もっとがんばりゃ良かったのにって、、」

佐高氏「なんか、急に咳き出てきました、はははははは。」

西部氏「でも彼は戦争始まって2年半で、現地視察に行って墜落事故(ほぼ自殺みたいなもんで) でも不時着した後も生きてて、最後に動けなくなってピストル自殺したと。

でも、そういう時代だから我々のような戦後に生まれた人間があんまり大言壮語できないからね。

なかなか立派な長岡人でしたと。」

佐高氏「なるほど。私がもし書いてればどういう結果になったか分からないが、軍人だからということで否定されるような人ではなかったということですよね。」西部氏「そうそう」

佐高氏その点は見事に浮き彫りにされているような気もしますですね。」

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「週刊金曜日」発行人の佐高氏も、西部氏の前では大人しい(苦笑)

二人は真逆のイデオロギーを持っているけど、映画評のトークとしては知識が豊富で、引き出しが多いので面白かったです。

この昔の西部氏の2本のトークの書き起こし、今日読み返してみて、ぜひ1人でも多くの人に「知って」ほしいと思って再掲しました。

「民主主義はね、平和主義なんて、、平和と民主なんて言葉はねそう簡単に吐くなよと」「日本は見事な戦争をやったんだけども、結構なんか負け方は不甲斐ねーなって(笑) 」

なーんて、テレビで平気で言えるのは西部邁さんだけ 

西部氏を最後に見かけたのはプライムニュースでしたが、安倍総理批判に終始し、「ジャップ」がどーのと言い出したので・・ちゃんと見ませんでした💧

だけど西部邁氏の、激しい命がけの生き方はとても好きでした。合掌

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2018年01月22日12:43【西部邁】「総連系を引率し、韓国旅行し現地女性から罵倒されケンカした」話など。 従軍慰安婦小説『めぐりくる春』対談 【西部邁・佐高信の学問のすゝめ】

西部邁さん入水自殺のニュースを見て、あらゆる事に溢れる知識で語っていた時の、その温和な笑顔を思い出しました。

昔、朝日ニュースターのトーク番組【西部邁・佐高信の学問のすゝめ】で、

特に面白かった回を2本書き起こし記録していたので、この際再掲します

1️⃣本目は、「従軍慰安婦小説と在日朝鮮人」に関するトークの中で、「総連系を引率して韓国旅行し現地女性から罵倒されケンカした話」「在日の野球選手の話」「特高に志願した韓国人の話」など。

実地で関係者から聞いた話はとても説得力があり、「慰安婦は娼婦」と言い続けた西部さんに極左の佐高氏ですらスルーでした

2️⃣本目は、東京裁判・ミッドウェー海戦・戦争賛美の新聞社(朝日・毎日)・現在のイランの立場と当時の日本の比較・パンパンの話などです。


まずは、アノ、リテラの記事から右

西部邁が自殺を予告していた!「10月22日に死ぬ気だったが、総選挙になったので延期した」 2018.01.21

・・一体どういうことか。西部氏といえば、東京大学時代に60年安保闘争に参加するも転向、その後は保守論客として活躍を続けてきた人物だ。とくに1990年代には『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)に“レギュラー”出演、改憲はもちろん、自虐史観批判、核武装や徴兵制の導入まで主張し、歴史修正主義団体「新しい歴史教科書をつくる会」にも理事として参加。“ネトウヨ”の生みの親のひとりでもあった。・・


西部氏の評価、全く間違ってます。西部氏は真の愛国者だっただけ。そしてリテラの1万倍頭が良い。

小さな器で、巨大な器を評価しようとするからおかしな記事に・・(;一一)


では、8年前に極左の佐高氏とやっていたトーク番組を。少し長いけど、面白いです右

«従軍慰安婦小説『めぐりくる春』 対談 (西部邁・佐高信)   【学問のすゝめ】»2010年9月 8日

朝日ニュースター【西部邁・佐高信の学問のすゝめⅡ】は、

2年目のテーマは「本」。人類の遺産とも言える「古典」、今の時代を映す「ベストセラー」、そして今 読むべき「お奨め本」など保守派の碩学、西部邁リベラル派の代表、佐高信が更に自由に語り合います!

こんな番組で、今回は、従軍慰安婦小説と在日朝鮮人に関してだったので、西部・佐高氏2人の対談を記録しました。(ただし、長いので流れはそのまま要約、その小説『めぐりくる春』と関係のない話は省略)

佐高信氏は、アノ週刊金曜日の発行人。西部さんは《西部邁・平沼赳夫の鳩山クッキング》でお馴染み?かも。

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佐高氏
「第2ラウンド、今回はヤン・ソギルさんの『めぐりくる春』なんですが、

ちょっと西部さんには読みにくい本(笑)」西部氏「いやいや、スラスラと。これ週刊金曜日に連載された、、(笑)」佐高氏「じゃあVTR」

002_2  今回取り上げるのは、作家・梁石日(ヤン・ソビル)氏が従軍慰安婦問題を取り上げた『めぐりくる春』。日中戦争が始まった日本占領下の朝鮮半島を舞台に、出稼ぎに出ていた少女スンパが17歳の時に、日本人の警官に騙され、従軍慰安婦にされてからの過酷な運命を描いている。

作者の梁石日(ヤン・ソビル)氏は大阪に生まれ、『タクシードライバー日誌』で作家デビュー。

主な作品に在日を描いた『夜を賭けて』実の父をモデルにした『血と骨』。幼児の売買春・臓器移植を描いた『闇の子供たち』などがある。

佐高氏「梁石日(ヤン・ソビル)って人の作品は、映画なんか含めて初めて?(初めて) あ~」

003西部氏「血と骨?! はある酒場の女性が観て、あんまりあんまり残虐なんで西部さん見るなって(笑) 素直に観なかった(笑)」

佐高氏「酒場の女性の言う事聞かれた?(笑)」

西部氏「僕ね、これ読んでて、一言で言うとね、作者に悪いけど、非常に読み易い本でね、

物事の一面は表現されてるんだろうけども、やっぱりね・・・・・薄っぺらでね。読みやすかったけども、物事の一側面をかすっただけで、心に打つものがほとんどなかった。」佐高氏「薄っぺらって、人間が生きていく、、」

西部氏「これ日本の戦争の小説もだが、例えば軍隊というもの、娼婦と軍隊の関係でも人間性そのものの否定だという表現が出てくるけど、でもそうだったら小説の表現はつまんなくなるんではないか。

僕に言わせれば、戦争も、戦争の性も、性をめぐる暴力その他も非常に歪んだ形だが、人間性そのものの発露でもありうるという視点がないと、結局はどっかに悪いやつがいて良い人はかわいそうみたいな話で、子供向けの紙芝居になっちゃうと思う。」

佐高氏「ただこの中に、日本兵と慰安婦の恋愛、、」

005西部氏「まさしくそう。気が付いててだから作者の表現の中に矛盾が生じるんじゃないかと

要するに、韓国人の娼婦と日本兵の間に恋愛が生じて、、そしてそれを人間性というのならば、人間性そのものの否定なんて事は簡単に言えないんじゃないか

いい例かわからないが、第二次世界大戦だって、好きではないがレマルクがドイツ人にいて、凱旋門とか愛する時と死する時、、あれも簡単に言うと ドイツ人の若き兵士がヒューマニストとして振舞う。ところがドイツの戦争はナチスで言えばここで人間性を否定する、悪しきナチス党員がいたみたいな話になる。

やはり今頃書くなら、そういうどっちをとるかみたいな話じゃ、戦争とか性暴力はないんだと表現してもらいたいなぁ。」

佐高氏「西部さんは要するに従軍慰安婦論争みたいなものがあって、従軍慰安婦は存在しなかったという、、」

西部氏「僕は、"従軍慰安婦"は直どおりに解釈すると、軍の動きと共に兵隊を性の面で慰安する婦人の話と。そういう意味なら別に従軍慰安婦はどっこにもいるもんだが、問題は軍の強制連行で行われたかどうか

もちろん強制連行があったという証言もある事も知っているし、でも調べたらそれはウソの証言・誇大な証言だったと。

僕は両陣営とも偏執的に強制連行があったあったと証言を集めてくる人たちと、その証言を逐一偏執的にまた調べまくってなかったと言っている人達、、もう勝手にやってくれと。

というのは、この話戻すが、最初の方に先程『日本の警察に騙されて』みたいな事があったが、その前冒頭に『小作地の見回り役としてのコヘイセイ、それを誘い込むわけ』(朝鮮の人をね) そうそう、僕はあんまり経験ないんだけど、僕がいくつか実地に関係者から聞いた話で言うと、

例えば友人のお父さんが、日本軍に協力したという事で樺太でソ連軍に処刑された人の話だが、木浦(モッポ)は当時日本兵の労務者の娼婦も含めて、運び出し基地で、彼はそこから韓国人・朝鮮人を日本に運んできた親分

ここいう話は多くて、困っている朝鮮人、娼婦を収入が十倍になると誘って集めて、それで運んできて日本の軍隊に就けるとか、日本の鉱山なりに就けると

そういう事が考えられないまま、強制連行という紋切型の、軍隊の強い日本と当時弱い韓国で、そうなれば当然強いものが弱いものをやっつけてきたハズだ。押さえつけたハズだ。強制連行したハズだという、そういう話がだんだん尾ひれが付けられるのはなんか変だなぁという気持ちはある。」

佐高氏「その命令書があったかという話をこうやるのは、私も違うんじゃないかと思う。例えば城山三郎さんの『特攻』でも、特攻志願の者は前へという話がある。その時に出ない訳にはいかないという状況、それしか選択肢がないというものを、つまりそれは強制ではないという風に(笑)言った場合には、実態とはちょっとズレると思う。」

021  西部氏「そう、それはズレるよね。だからそこの所はほっんとうに微妙で、しかし反対に強制がないというのも現実としてズレるし、また強制だというのもズレる

まぁ特攻の話の方が論じやすいけどね。やっぱり学徒出陣も自分は国の為に死ぬと言う気持ちで行っている。

そこまで本当で、然しながらギリギリまで来たら特攻で一人で死んでいくという事は滅多に選ばれるもんじゃないという意味では、志願したくないなと思う人が多かった事は簡単に想像できる。

でも、私心では志願したくない、死にたくない。然しながらその当時時代の中でのパブリックマインドの在り方として青年たるもの志願せねばならん。つまり一歩前に出るか留まるかという時には、私心とパブリックの心のせめぎ合いがあるわけで、人によっていろんなケースがあるので、そこの所を表現する事は、社会学的にはムリだが、文学はそれだって良い気がする。」(中略)

012

 西部氏「各謝罪談話の話は、100%否定はしないが、過去の歴史上にあった事柄について、後世がそれについて反省するとか、謝罪するとかそういう事を軽々しくやるという事の中に、

それこそ人間性についての間違った判断が、、つまり人間の感情、認識自体が歴史の中にいて時代の中に居て、そういう中にいない我々があれは悪かったとか良かったとか、果たしてどこまで言えるかという、、そのことに対して物凄い軽はずみな、オマエさん達は何者なんだと。」(佐高氏、小泉・安倍氏批判 略)
 

011013西部氏「当時の法律も知っているし、

ロシアの南下政策・韓国がロシア人を軍事顧問として雇っていた状況も全部知った上で、、しかし日本は軍国主義が強まった事は確かだが、その歴史上のやむおえざる事情も絡み合っているので、反省・謝罪ではなく、遺憾であったという言葉に留めるべきだとずっと思っている。」(中略)

 佐高氏「ヤン・ソギルは、様々な体験を経て、夜逃げしたりタクシードライバーずっとやったりした人だが、ヘンリー・ミラーに没頭した、ある種の日本のヘンリー・ミラーみたいな所があるので、腰が据わってる書き方はしている。」(かっけの話などに脱線 略).

014015西部氏「・・話戻していい? 

これもわずかな経験なんだけど、日本に来た韓国人の事『僑胞(キョッポ)』って言うが、僕一度、在日で総連系を連れて韓国旅行した事がある。偉そうに言うと僕が引率って感じで。徐兄弟って拷問にあったでしょ? あの人がスパイだったという話ではなくて、あの後だったのでなかなか怯えて、、

つまり脛に傷があったから傷持ったまま本国へ帰ったら、何かの具合でKCIAにやられるんじゃないかという、帰れないという人達が何人かいて、大丈夫だと僕らが連れて行ったことがある。

その時4箇所、ソウルから南下して慶州・百済のプヨ?・・最後釜山行ったりして、色んな町でバーなんかに入ると、カタコトの日本語を喋れる女性達が、連れて行ったキョッポに対して、物凄いアグレッシブルな事をいう。罵倒に近い。

016『アンタ、所詮キョッポでしょ』と『カネが欲しくて国を捨てて日本に渡った人達の子孫でしょ』と『韓国人のクセして韓国語を喋れないの』と。

僕は義憤に駆られて女性達を叱った。『色んな事情を抱えて日本に居たから韓国語が喋れないだけであって、自分の母国が懐かしいって来ているだけなのにそのからかい方は一体なんなんだ』と柄にも無くケンカしたことがある(笑)

韓国の本国の人達は統計的に分かっているんじゃないかと。あの当時の韓国は貧しいから、少しでも安定した金銭収入にありつきたいと日本列島に渡ったんじゃないかという、本国の人達は共通認識として思ってるんじゃないかと。

韓国語を喋れなくなった在日の子孫にそういう言い方をするのは、そういうのをやっちゃいけないって国際作法にしてもらいたい(笑)」(ブラジル移民の話  略)

017 018

佐高氏
「北朝鮮の帰還事業もそこにしか希望を託せないと、、それからね、ジャイアンツの新浦っていうピッチャーがいたでしょ? あの人はまさに在日で、(向こうに行って野球やってたでしょ) そうです。

019020それから広島の福士が、関川夏央が『海峡を越えたホームラン』という本の中で書いたが、まさに渡ってから苦労するわけです。『オマエはキョッポだ』と『ハングル喋れねぇじゃねぇか』と。」

西部氏「その裏を返して、佐高さんどう思うか、、NHKで去年?、あの戦争の時に韓国人でありながら、といっても国籍は日本だが、特攻に志願する話で、ただその番組の趣旨は結局『かわいそう』って趣旨のフイルムになっているわけ。

でも僕は外交上の礼儀作法から言ったら、一応外国人が日本の為に決死の覚悟でカミカゼ特攻という作戦、、あれは原則志願だから、志願してくれたという事に、日本人が果たしてしっかりと感謝したのかどうかと。

僕はしっかりとありがとう、ご苦労様でしたと、あんな志願したら必ず死ぬのに志願してくれたことについては、後世の者としては、ご遺族に日本として感謝すると。感謝状と共に差金ね(笑)」(中略)

西部氏「・・・そういう番組を作るといっつもね、さもこんな酷い戦争の酷い乱暴な作戦に外国人が巻き込まれたと、犠牲者であると、そういう脈絡でしか作られない物語が、僕は嫌だな。」

004佐高氏「この『めぐりくる春』をめぐってシンポジュームみたいなのをヤンさんも含めてやった時に、

インターネットでユーチューブかニコニコ動画か、バーーッとこうくるわけだが、その大部分が『証拠を出せ』って(笑)ばっかりなんですよ。『証拠出せ証拠出せ』って。

それと『何十年経った後に名乗り出たじゃないか』という話で、それについては在日朝鮮人のエッセイストの女性が、日本以上に儒教の国だから、故郷に居られない、ね、つまり慰安婦とされた場合、????できなかったというのがある。それは日本だって似たようなものありますよね?」西部氏「もちろんそう。娼婦をやるという事はね。」

佐高氏「だから証拠を出せって(笑) じゃあ、そこで一旦決着したらアメリカの原爆も非難できないのかという話になる。」

西部氏「だから、ともかく僕は結論は簡単すぎるけど、過去の歴史については、自分がその場に居たとしたらどこまでできたかという想像力を最大限駆使した上で、、申し訳なかったと言わざるを得ないと覚悟した上で、然しながらやっぱり国際社会だから、条約というレベルもあれば、、それからこれは誰もハッキリ言わないけど、あの当時は、帝国主義の末期というより最高潮の段階なんですよ。あけすけに言うと侵略する力を持っている、侵略した実績を持っているかどうかに於いて一等国、二等国、三等国が仕分けされるような世界史の段階だった。

しかもその段階を作ったのは別に日本ではなく、欧米のイニシアティブ

だから日本は免罪と言ってるんじゃなくて、そういう事を全部ひっくるめて、仕分けをしながら語ってもらいたい。」

022佐高氏「ただ、今までこういう従軍慰安婦についての小説についてほとんど書かれてこなかった。ねっ。『朗読者』との違いはどうなんだろう?」

西部氏「やはり男であれ、女であれ、裏表で、オープンと秘密とかかなり複雑なもの。

それを愛しているか愛していないか、悪いか良いかという形で二者択一するような形には出来るだけ気をつけてもらいたい

例えばこれね、ヤン・ソビルさんにケンカを売ってるワケじゃないが、こういう文章が気になった。『日本兵士は恐怖のあまり娼婦という女に抱きつき、娼婦は日本兵に対する恐怖のあまり、兵隊から逃れようとする』と。

もちろんそういう人も居たと思うし、大まかに言えばそういう風に見えたかもしれないけれども、しかしそれはいかにも単純すぎるし、ヤン・ソビルさん自身が互いに惚れ合う兵士と娼婦の話を承認している事にみられるように、そんな風に兵士と娼婦の関係をぶった切るのは僕はちょっとアレだと思った。そこの所もうちょっとね、、(情婦マノンのストーリー 略)

つまり娼婦と外国人の間には、恐怖と憎しみと色んなことがあるだろうが、同時に滅多にない男女のドラマも出現する。」(美輪昭宏の話など、略 )

Photo  佐高氏西野瑠美子って人が色々聞き書きして書いた従軍慰安婦の本のネタ元にしながら、

ヤンさんがフィクションの翼を広げてアレしたが、従軍慰安婦と兵士の間に子供が生まれて、どっかに里子に出すというか、、」

西部氏「お腹の中の子供を溶かしちゃうっていう言い方とかね、確かにあったと思う。でもそれは軍隊関係の娼婦に限らない事で、貧しいって事も関係ないのかなぁ、

つまり娼婦ってのは人類と共に最も古い商売のひとつで、なんなんだろうと思う時がある。人間って言うのは、、(一度だけ、東大に入る前に、赤線で娼婦を買って嫌だった詳しい話 略)

人間ってそんなとこあるから、戦争物だから暢気な話は書けないにしても、もうちょっと男も女も歴史も何もかも含めてもっと民間と軍隊ももっともっと人間的に書いてもらいたかったって気はするなぁ。」

佐高氏「まぁ西部さんが最後まで読み通してくれたっていう事で(笑)」

024 以上

西部氏が一度も「従軍慰安婦」と言わず、一貫して「娼婦」と言っていたのが、全てを物語っている気がします・・

2本目につづく・・

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2015年01月19日11:13【風刺問題】2006年週刊金曜日主催市民集会の皇室中傷・侮辱芝居 (佐高信・本多勝一・中山千夏・永六輔)

TBS【サンデーモーニング】(1/19)で、

001

佐高信がフランスの風刺画に関して、「風刺・ペンが向かう先は強者でなくてはならず弱者に向かってはならない」 「笑いは”こわばり”をほぐすもの。あれはそれではない」 と偉そうにコメントていたんですが、

ならば、9年前のアレは!?と思い出しちゃいました(;一一)

人さし指2006年、『週刊金曜日』主催「ちょっと待った!教育基本法改悪 共謀罪 憲法改悪 緊急市民集会」において、皇室を中傷・侮辱した芝居です。

知らない人の為に、【マスゴミ】週刊金曜日による皇室中傷・侮辱芝居【反日】 に記録されたものを書き起こしましたキチガイですよ、もう・・勝ち誇り

「陛下のガンも笑いのネタにした皇室中傷芝居」(週刊新潮12/7号より抜粋)

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その瞬間、あまりの下劣さに観客も凍りついた。11月19日、日曜日。東京の日比谷公会堂で開かれた『週刊金曜日』主催の「ちょっと待った!教育基本法改悪 緊急市民集会」である。

会場を埋めた2000人近い観客の前で、悠仁親王は「猿のぬいぐるみ」にされ、天皇陛下のご病気もギャグにされる芝居が演じられた・・・

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 その日、東京は冷たい秋雨が降っていた。
 高橋尚子が参加した東京女子マラソンがあり、交通規制が都内に敷かれていたその時間に、日比谷公園の一角にある日比谷公会堂でそのイベントの幕は開いた。

 安倍政権への対立姿勢を鮮明にする左翼系週刊誌の「週刊金曜日」が主催する緊急市民集会である。

 同誌の本多勝一編集委員の挨拶から始まった集会で、問題のパフォーマンスがおこなわれたのは、午後2時半頃からである。司会を務めるのは、同誌の発行人でもある評論家の佐高信だ。

 「えー、今日は特別な日なんで、とても高貴な方の奥さんにも来ていただきました。この会場のすぐ近く、千代田区一丁目一番地にお住まいの方です。」
 佐高氏がそう言うと、舞台の右袖から、しずしずと美智子皇后のお姿を真似たコメディアンが出てきた。

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 黒いスカートに白のカーディガン、頭には白髪のかつらと、帽子に見立てた茶托を乗せている。そして、顔は前面だけおしろいを塗って女装した男である。会場は拍手喝采だ。
 「本日は雨の中、多くの国民が集まっている中、何の集会だかわかりませんが」
と切り出すと、大きな笑いが起こった。

 「そう言えば、先日、主人と一緒に、ソフトバンクの王貞治監督にお会いしたんです。王さんは”日の丸のおかげで優勝できました”と仰っていましたが、この人が日の丸のおかげなんて言うのは、おかしいんじゃありませんか? 」
 そう言ってコメディアンは笑いをとった。先日の園遊会で、王監督が、天皇陛下に話した内容を皮肉ったのだ。続けて、

 「そう言えば、去年は皇室典範を変えるとか変えないとかで、マスコミが随分騒がしかった。でも、ウチの次男のところに男の子が生まれたら、それがピタッとおさまっちゃいましたね。」
悠仁親王のことを話題に。そして、
 「今日は、実はその子を連れてきてるの。ちょっと連れてきて」
と言うと、スタッフが舞台の下からケープに包まれた赤ちゃん人形のようなものを壇上の”美智子皇后”に無造作に手渡した。
 よく見ると、猿のぬいぐるみである。
 ”美智子皇后”は、そのぬいぐるみに向って、
 「ヒサヒト!ヒサヒト!」
と声をかけながら、その猿の顔を客席に向けたり、ぬいぐるみの腕を動かしたりする。場内は大爆笑。
 大受けに満足の”美智子皇后”の芝居は続く。
 やがて、抱いている猿のぬいぐるみに向って、
 「ヒサヒト!お前は、本家に男の子が生まれたら、お前なんか、イーラナイ!」
と叫んで、舞台の左側に
ポーンと放り投げるパフォーマンス
演じられた。

 だが、このシーンで場内は静まり返った。
 若者の中にはクスクスと笑いを漏らす者もいたものの、さすがにここまで来ると観客の大半が凍りついてしまったのである。

 そして、ここで登場したのが「話の特集」の元編集長でジャーナリストの矢崎泰久氏と、作家であり、タレントでもある中山千夏さんだ。二人は、何十年もの間、行動を共にしている”同志”である。

静まりかえる観客

 「これはこれは。さる高貴な方の奥さんではないですか。その奥さんに聞きたいことがあるんです。」と、矢崎氏。
 「天皇なんてもう要らないんじゃないんですか。天皇なんてのは民間の邪魔になるだけでしょ?」と聞く二人に、”美智子皇后”は、
 「あら、アタシは民間から上がったのよ。」と、応える。

 中山女史が、
 「そもそも天皇になれるのが直系の男子だけという方がおかしいでしょ?男でも女でも、長子がなれるようにすべきじゃないでしょうか。それで、ハタチぐらいになったら、本人の意思で天皇になりたければなり、なりたくなければ一般人になってそれで終わり。普通の市民のように選挙権も持てるようにすればいい。そうしていけば、天皇家というウチはなくなります。」と持論を展開。

 すると、矢崎氏が、
 「そう言えば、今日はご主人が来てませんね?」と”美智子皇后”に尋ねる。
 「ハイ。」
 「どこか悪いの?」と、矢崎氏
 「ハイ。知っての通り、病でございまして。マエタテセン?じゃなかった、エーと、あ、そうそう、前立腺を悪くしまして。あまり芳しくないのですよ
 「それはご心配でしょうねえ」
 「そうなんです。」
 そんなやりとりが続いた後、突然、矢崎氏が、
 「それで、あっちの方は立つんですか?」と、聞く。
”美智子皇后”は面食らいながら、
 「私の記憶では・・・・・出会いのテニスコートの時は元気でございました」と、応える。

 場内は、シーンと静まり返った。天皇のご病気までギャグにされたことで、さすがに観客がシラけてしまったのだ。

 「笑い声なんてなかったですよ。何て下劣なことを言うのか、と思わず拳を握り締めてしまいました」と当日、イベントに参加した観客の一人がいう。

 「その後も園遊会で来賓とお話しする両陛下の物真似で、笑いをとっていましたね。憲法や教育基本法の集会だと思っていたのに、結局、この人たちがやりたかったのは、安倍晋三のこきおろしと、皇室を中傷することだけだったんですね」

だが、呆れるばかりの内容は、まだ続いた。

今度は、元放送作家でタレントの永六輔氏が舞台に登場。永氏は、

 「ここ(日比谷公会堂)は、昔、社会党の浅沼稲次郎さんが刺殺されたところなんです」

 「君が代は、実は歌いにくい曲なんですよ」などと語り、アメリカの『星条旗よ永遠なれ』のメロディーで『君が代』を歌うというパフォーマンスを見せるのである。

当日、集会に来ていた白川勝彦・元自治大臣がいう。

 「永六輔さんが、はっきりとした歌声で君が代を『星条旗よ永遠なれ』のメロディーで歌いました。うまかったので、自然に聞こえましたよ。へえ、こういう歌い方があるんだ、とびっくりしたというか、妙に感心してしまいましたね」

君が代を『星条旗よ永遠なれ』のメロディーで歌うーーーーそれは、この緊急市民集会とやらの”正体”がよくわかるものだったのである。

”反権力”に酔う人々

今回、”美智子皇后”を演じたのは劇団『他言無用』に所属する石倉直樹氏(49)である。永六輔しに可愛がってもらって、全国各地のイベントで活躍している芸人だ。

 「僕たち(注=メンバーは3人いる)は、テレビではできないタブーに切り込む笑いをやっているんです。持ちネタは、色々ありますよ。杉村太蔵橋本龍太郎、それに創価学会だって、やってます」

と、石倉氏がいう。

 「中でも最近は美智子様の芸が目玉になってきていますね。実はお笑い芸人として活動を始めた頃、ちょうど昭和天皇がご病気になって、歌舞音曲は慎め、と仕事が次々キャンセルされたことがありましてね。その時、これはおかしいぞ、と思いました。16年経った今も、お世継ぎがどうのこうの、とやっている。何とも言えない怖さを感じます。美智子様のことは好きなんで、できれば綺麗に演じたいんですけどね」

悠仁親王猿のぬいぐるみにしたことには、

 「この小道具はよく使うんです。普段は、名前をそのまま言わないんですが、あの集会では、ついフルネームで言ってしまいました

(ご病気については)矢崎さんと中山さんに下ネタをふられ、乗せられてしまいました。僕は基本的に下ネタは好きではない。永六輔さんには以前、さんがやっておられた渋谷の劇場にも出させてもらいましたし、去年は沖縄公園にも京都のコンサートにも出させてもらいました。京都では、僕が皇后で、さんが侍従の役で、色々やりましたよ。僕自身は、これを(市民)運動としてやっているつもりはないし、あくまで自分が面白いと思うことをやっているつもりです」

お笑い芸人としてタブーに挑戦するーーー石倉氏は腹を据えて演じているらしい。

だが一方、司会を務めた佐高氏の反応は全く違う

皇室を中傷する劇?いやいや、そもそも劇の中で皇室なんて一言も言ってませんよ

と、こう語るのだ。

「あくまで、”さる高貴な奥様”としか言ってないんですから。だから皇室の中傷などではありません。それは受け取る側の見方ですから、こちらがコメントする理由はありませんよ。そんなことを言うなら核議論と同じで、こっちも封殺するな、と言いたいですね」

永六輔氏は、なんと言うか。

「僕はあの日、3時に来いと言われて会場に向かったんですけど、車が渋滞して遅れ、3時半に到着したんです。だから、そのコント自体、見てもいないし、全然分からないんですよ。だから、『週刊金曜日』に聞いてくださいな」

と、知らぬ存ぜぬだ。

石倉氏に比べて、二人は何とも歯切れが悪い。矢崎氏と中山女史に至っては、取材申し込みに対して、梨の礫だ。

永氏は、かつて、童話『七つの子』など野口雨情の名作を根拠もなく「強制連行された朝鮮人の歌」などと言ってのけ、関係者を激怒させた”前科”がある。

その関係者の一人、作曲家のすぎやまこういち氏は、今回のことをこう語る。

 「そうですか。まだ(氏らは)そんなことをやっているのですか。呆れますね。下品です。自分に置き換えて考えてみればいい。自分の孫が猿のぬいぐるみにされて、放り投げられたり、病気のことを揶揄されたりしてごらんなさい。人権に対する意識も何もない。彼らは、いつも人権、人権というくせに、実はそれが彼らの正体なんですよ」

 主催者である「週刊金曜日」の北村肇編集長は、同志の編集後記でこの集会の模様をこう記している。

 <冷たい秋雨の中、二〇〇〇人近い人びとが集まった。不思議なほどに穏やかな空気が会場には流れ途切れなかった。永田町の住人に対する、満々たる怒りを深く共有しながら、しかし、そこに絶望はなかった>

 ”反権力”とやらに酔った人々-彼らにつける薬は、果してあるのだろうか。以上 

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まさに”反権力に酔ってる”だけの自己満足にしか見えない。

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こんな事やって国民の共感が得られると本気で思ってるんだろうか?

で、「さる高貴なご一家の奥様」シリーズは週刊金曜日お抱えネタのようで、少なくても2001年からやってたようです右

風刺漫画

 隔週掲載の1コマ漫画が、今週号(396号〔1月25日〕)から「金曜アンテナ」欄に登場します。作者は、フリーエンターテイナーの石倉直樹さんです。

 石倉さんは、米ニューヨークでパントマイムを学び、社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」をへて、フリーエンターテイナーとして活躍しています。また、本誌「虫メガネ」でおなじみの松崎菊也さん、松元ヒロさんの3人で、「他言無用プロジェクト」を結成し、鋭い社会風刺を繰り広げています。

 昨年11月3日の「『週刊金曜日』創刊8周年”大演会”」でも、他言無用プロジェクトの3人は抱腹絶倒のコントを披露してくれました。なかでも、石倉さん演じる、「さる高貴なご一家の奥さま」は絶品で、会場の爆笑を誘っていました。

 イラストでは、最新の出来事をユニークな視点で切り取っていただきます。コントとはひと味違った社会風刺をお楽しみいただければ幸いです。

で、結局ことの顛末 は・・・右

最終的に同誌は、佐高信発行人および北村肇編集長名にて「人権及びプライバシー上、一部の表現に行きすぎや不適切な言動があったことで、誤解や不快の念を生じさせてしまいました。集会主催者として配慮を欠いたことを率直に反省しおわびするとともに、今後開催する集会等の運営には十分に留意をしてまいります」との見解を示し、誌面上で謝罪・反省の記事を掲載した。》

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人さし指以前、朝日ニュースター という局があり、アカヒ記者やOB、在日や反日日本人をいっぱい投入し、朝日新聞社の中から放送していました右

アカヒの電波工作。朝日新聞大株主のCS放送局「朝日ニュースター」とはより

・・今日は、その反日偏向番組のいくつかを紹介します

それぞれの番組のメインの司会者が、辛淑玉シンスゴ)・葉千栄・・金慶珠上杉隆・青木理・金子勝・愛川欽也・・

サブが・中山千夏永六輔・下村満子・荻原博子・落合恵子・吉永みち子・重信メイ・中村うさぎ・二木啓孝・佐高信石坂啓・・

というラインナップ。今思えば、皆アカヒマインドのオンパレードだったなぁ・・・(遠い目)

人さし指それもそのはず、この朝日ニュースターの主要株主は
朝日新聞社 83.2% (2011年3月31日時点) テレビ朝日 朝日放送 という構成ですから。

で、ボヤキがてら、朝日ニュースター カテゴリー作って記録してましたふっ

例えば、このニコニコ大辞典の『パックイン』解説 でなんとなく全体像も分かって頂けるかと右・・・

もう類友ですよね(呆)

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こういう構図なので、週刊金曜日はアカヒの補完勢力だと思っていました。

サヨクの批判するヘイトスピーチって、韓国・朝鮮・在日に向けてのものだけだし、独善で勘違いも甚だしい集団。

他を侮辱する下品さからして・・そもそも週刊金曜日って日本版(例のフランスの風刺週刊紙)「シャルリー・エブド」かもね。

そんな集団の人達が、テレビコメンテーターとして偉そうにコメントしている日本のテレビ業界って本当に異常ですふらふら

佐高信が「ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク」共同代表って・・笑えない冗談ですね。

関連記事右

《朝日新聞が「南京事件」を「南京大虐殺」として火をつけた本多勝一の「中国の旅」とは》

2ヶ月前、Chinaが"南京事件"と"(従軍)慰安婦"をユネスコ世界記録遺産に申請しましたが、

人さし指そもそも「南京大虐殺」というのも、朝日新聞記者だった本多勝一の書いた「中国の旅」が発端です。・・

 

風刺画と表現の自由・「私はシャルリ」現象と岸井氏のコメントに違和感 【News23】2015年01月13日

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岸井氏「・・あの規模には本当に驚きましたよねー。、フランス革命以来200年以上ね、大切に守ってきた、言論表現の自由、それが危機に見舞われているとそういう状態でしたからね、その危機感の表れだと思うんですよね。

また世界が反テロで団結した歴史的な日にもなったと思います。

だから私達日本人もこれを機に、言論・表現の自由がいっかに大事か、そういう事を再認識するそういう機会にしたいと思うんですよねー。」

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2013年06月08日22:53【西部邁・佐高信の学問のすゝめ】に見る「慰安婦」「戦争」「パンパン」

以前、CS朝日ニュースターで【西部邁・佐高信の学問のすゝめ】というシリーズで、

西部邁さんが、アノ週刊金曜日の発行人佐高信氏と「人物」「本」「映画」について、

2人でひたすら語り合うという番組があったんですが、久しぶりに読み返してみると「慰安婦」「戦争」部分が実に面白い!コレ今こそ読んでほしいなと思ったので、関連部分のみ抜き出しました

佐高さんがサンデーモーニングの時と別人のようなんですよ(゚ー゚)

《従軍慰安婦小説『めぐりくる春』 対談 (西部邁・佐高信)   【学問のすゝめ】》より抜粋2010/09/08

(作家・梁石日(ヤン・ソビル)氏と従軍慰安婦問題を取り上げた小説『めぐりくる春』の説明等 略)

佐高氏「梁石日(ヤン・ソビル)って人の作品は、映画なんか含めて初めて?(初めて) あ~」

003西部氏「『血と骨』?! はある酒場の女性が観て、あんまりあんまり残虐なんで西部さん見るなって(笑) 

素直に観なかった(笑)」

佐高氏「酒場の女性の言う事聞かれた?(笑)」

西部氏「僕ね、これ読んでて、一言で言うとね、作者に悪いけど、非常に読み易い本でね、

物事の一面は表現されてるんだろうけども、やっぱりね・・・・・薄っぺらでね。読みやすかったけども、物事の一側面をかすっただけで、心に打つものがほとんどなかった。」

佐高氏「薄っぺらって、人間が生きていく、、」

西部氏「これ日本の戦争の小説もだが、例えば軍隊というもの、娼婦と軍隊の関係でも人間性そのものの否定だという表現が出てくるけど、でもそうだったら小説の表現はつまんなくなるんではないか。

僕に言わせれば、戦争も、戦争の性も、性をめぐる暴力その他も非常に歪んだ形だが、人間性そのものの発露でもありうるという視点がないと、結局はどっかに悪いやつがいて良い人はかわいそうみたいな話で、子供向けの紙芝居になっちゃうと思う。」

佐高氏「ただこの中に、日本兵と慰安婦の恋愛、、」

005 西部氏「まさしくそう。気が付いててだから作者の表現の中に矛盾が生じるんじゃないかと

要するに、韓国人の娼婦と日本兵の間に恋愛が生じて、、そしてそれを人間性というのならば、人間性そのものの否定なんて事は簡単に言えないんじゃないか

いい例かわからないが、第二次世界大戦だって、好きではないがレマルクがドイツ人にいて、凱旋門とか愛する時と死する時、、あれも簡単に言うと ドイツ人の若き兵士がヒューマニストとして振舞う。ところがドイツの戦争はナチスで言えばここで人間性を否定する、悪しきナチス党員がいたみたいな話になる。

やはり今頃書くなら、そういうどっちをとるかみたいな話じゃ、戦争とか性暴力はないんだと表現してもらいたいなぁ。」

佐高氏「西部さんは要するに従軍慰安婦論争みたいなものがあって、従軍慰安婦は存在しなかったという、、」

西部氏「僕は、"従軍慰安婦"は直どおりに解釈すると、軍の動きと共に兵隊を性の面で慰安する婦人の話と。そういう意味なら別に従軍慰安婦はどっこにもいるもんだが、問題は軍の強制連行で行われたかどうか

もちろん強制連行があったという証言もある事も知っているし、でも調べたらそれはウソの証言・誇大な証言だったと。

僕は両陣営とも偏執的に強制連行があったあったと証言を集めてくる人たちと、その証言を逐一偏執的にまた調べまくってなかったと言っている人達、、もう勝手にやってくれと。

というのは、この話戻すが、最初の方に先程『日本の警察に騙されて』みたいな事があったが、その前冒頭に『小作地の見回り役としてのコヘイセイ、それを誘い込むわけ』(朝鮮の人をね) そうそう、僕はあんまり経験ないんだけど、僕がいくつか実地に関係者から聞いた話で言うと、

例えば友人のお父さんが、日本軍に協力したという事で樺太でソ連軍に処刑された人の話だが、木浦(モッポ)は当時日本兵の労務者の娼婦も含めて、運び出し基地で、彼はそこから韓国人・朝鮮人を日本に運んできた親分

ここいう話は多くて、困っている朝鮮人、娼婦を収入が十倍になると誘って集めて、それで運んできて日本の軍隊に就けるとか、日本の鉱山なりに就けると

そういう事が考えられないまま、強制連行という紋切型の、軍隊の強い日本と当時弱い韓国で、そうなれば当然強いものが弱いものをやっつけてきたハズだ。押さえつけたハズだ。強制連行したハズだという、そういう話がだんだん尾ひれが付けられるのはなんか変だなぁという気持ちはある。」

佐高氏「その命令書があったかという話をこうやるのは、私も違うんじゃないかと思う。例えば城山三郎さんの『特攻』でも、特攻志願の者は前へという話がある。その時に出ない訳にはいかないという状況、それしか選択肢がないというものを、つまりそれは強制ではないという風に(笑)言った場合には、実態とはちょっとズレると思う。」

021  西部氏「そう、それはズレるよね。だからそこの所はほっんとうに微妙で、しかし反対に強制がないというのも現実としてズレるし、また強制だというのもズレる

まぁ特攻の話の方が論じやすいけどね。やっぱり学徒出陣も自分は国の為に死ぬと言う気持ちで行っている。

そこまで本当で、然しながらギリギリまで来たら特攻で一人で死んでいくという事は滅多に選ばれるもんじゃないという意味では、志願したくないなと思う人が多かった事は簡単に想像できる。

でも、私心では志願したくない、死にたくない。然しながらその当時時代の中でのパブリックマインドの在り方として青年たるもの志願せねばならん。つまり一歩前に出るか留まるかという時には、私心とパブリックの心のせめぎ合いがあるわけで、人によっていろんなケースがあるので、そこの所を表現する事は、社会学的にはムリだが、文学はそれだって良い気がする。」

012(中略)

 西部氏「各謝罪談話の話は、100%否定はしないが、

過去の歴史上にあった事柄について、後世がそれについて反省するとか、謝罪するとかそういう事を軽々しくやるという事の中に、

それこそ人間性についての間違った判断が、、つまり人間の感情、認識自体が歴史の中にいて時代の中に居て、そういう中にいない我々があれは悪かったとか良かったとか、果たしてどこまで言えるかという、、そのことに対して物凄い軽はずみな、オマエさん達は何者なんだと。」

(中略)

014015

西部氏「・・・話戻していい? 

これもわずかな経験なんだけど、日本に来た韓国人の事『僑胞(キョッポ)』って言うが、

僕一度、在日で総連系を連れて韓国旅行した事がある。偉そうに言うと僕が引率って感じで。徐兄弟って拷問にあったでしょ? 

あの人がスパイだったという話ではなくて、あの後だったのでなかなか怯えて、、

つまり脛に傷があったから傷持ったまま本国へ帰ったら、何かの具合でKCIAにやられるんじゃないかという、帰れないという人達が何人かいて、大丈夫だと僕らが連れて行ったことがある。

その時4箇所、ソウルから南下して慶州・百済のプヨ?・・最後釜山行ったりして、色んな町でバーなんかに入ると、カタコトの日本語を喋れる女性達が、連れて行ったキョッポに対して、物凄いアグレッシブルな事をいう。罵倒に近い。

016 『アンタ、所詮キョッポでしょ』と『カネが欲しくて国を捨てて日本に渡った人達の子孫でしょ』と『韓国人のクセして韓国語を喋れないの』と。

僕は義憤に駆られて女性達を叱った。『色んな事情を抱えて日本に居たから韓国語が喋れないだけであって、自分の母国が懐かしいって来ているだけなのにそのからかい方は一体なんなんだ』と柄にも無くケンカしたことがある(笑)

韓国の本国の人達は統計的に分かっているんじゃないかと。あの当時の韓国は貧しいから、少しでも安定した金銭収入にありつきたいと日本列島に渡ったんじゃないかという、本国の人達は共通認識として思ってるんじゃないかと。

韓国語を喋れなくなった在日の子孫にそういう言い方をするのは、そういうのをやっちゃいけないって国際作法にしてもらいたい(笑)」(ブラジル移民の話  略)

017 018


佐高氏
「北朝鮮の帰還事業もそこにしか希望を託せないと、、それからね、ジャイアンツの新浦っていうピッチャーがいたでしょ? あの人はまさに在日で、(向こうに行って野球やってたでしょ) そうです。

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それから広島の福士が、関川夏央が『海峡を越えたホームラン』という本の中で書いたが、

まさに渡ってから苦労するわけです。『オマエはキョッポだ』と『ハングル喋れねぇじゃねぇか』と。」

西部氏「その裏を返して、佐高さんどう思うか、、

NHKで去年?、あの戦争の時に韓国人でありながら、といっても国籍は日本だが、特攻に志願する話で、

ただその番組の趣旨は結局『かわいそう』って趣旨のフイルムになっているわけ。

でも僕は外交上の礼儀作法から言ったら、一応外国人が日本の為に決死の覚悟でカミカゼ特攻という作戦、、あれは原則志願だから、志願してくれたという事に、日本人が果たしてしっかりと感謝したのかどうかと。

僕はしっかりとありがとう、ご苦労様でしたと、あんな志願したら必ず死ぬのに志願してくれたことについては、後世の者としては、ご遺族に日本として感謝すると。感謝状と共に差金ね(笑)」(中略)

西部氏「・・・そういう番組を作るといっつもね、さもこんな酷い戦争の酷い乱暴な作戦に外国人が巻き込まれたと、犠牲者であると、そういう脈絡でしか作られない物語が、僕は嫌だな。」

004 佐高氏「この『めぐりくる春』をめぐってシンポジュームみたいなのをヤンさんも含めてやった時に、

インターネットでユーチューブかニコニコ動画か、バーーッとこうくるわけだが、その大部分が『証拠を出せ』って(笑)ばっかりなんですよ。『証拠出せ証拠出せ』って。

それと『何十年経った後に名乗り出たじゃないか』という話で、それについては在日朝鮮人のエッセイストの女性が、日本以上に儒教の国だから、故郷に居られない、ね、つまり慰安婦とされた場合、????できなかったというのがある。それは日本だって似たようなものありますよね?」

西部氏「もちろんそう。娼婦をやるという事はね。」

佐高氏「だから証拠を出せって(笑) じゃあ、そこで一旦決着したらアメリカの原爆も非難できないのかという話になる。」

西部氏「だから、ともかく僕は結論は簡単すぎるけど、過去の歴史については、自分がその場に居たとしたらどこまでできたかという想像力を最大限駆使した上で、、申し訳なかったと言わざるを得ないと覚悟した上で、然しながらやっぱり国際社会だから、条約というレベルもあれば、、

それからこれは誰もハッキリ言わないけど、あの当時は、帝国主義の末期というより最高潮の段階なんですよ。あけすけに言うと侵略する力を持っている、侵略した実績を持っているかどうかに於いて一等国、二等国、三等国が仕分けされるような世界史の段階だった。

しかもその段階を作ったのは別に日本ではなく、欧米のイニシアティブ

だから日本は免罪と言ってるんじゃなくて、そういう事を全部ひっくるめて、仕分けをしながら語ってもらいたい。」

022佐高氏「ただ、今までこういう従軍慰安婦についての小説についてほとんど書かれてこなかった。ねっ。

『朗読者』との違いはどうなんだろう?」

西部氏「やはり男であれ、女であれ、裏表で、オープンと秘密とかかなり複雑なもの。

それを愛しているか愛していないか、悪いか良いかという形で二者択一するような形には出来るだけ気をつけてもらいたい

例えばこれね、ヤン・ソビルさんにケンカを売ってるワケじゃないが、こういう文章が気になった。『日本兵士は恐怖のあまり娼婦という女に抱きつき、娼婦は日本兵に対する恐怖のあまり、兵隊から逃れようとする』と。

もちろんそういう人も居たと思うし、大まかに言えばそういう風に見えたかもしれないけれども、しかしそれはいかにも単純すぎるし、ヤン・ソビルさん自身が互いに惚れ合う兵士と娼婦の話を承認している事にみられるように、そんな風に兵士と娼婦の関係をぶった切るのは僕はちょっとアレだと思った。そこの所もうちょっとね、、(情婦マノンのストーリー 略)

つまり娼婦と外国人の間には、恐怖と憎しみと色んなことがあるだろうが、同時に滅多にない男女のドラマも出現する。」(美輪昭宏の話など、略 )

Photo  佐高氏西野瑠美子って人が色々聞き書きして書いた従軍慰安婦の本のネタ元にしながら、

ヤンさんがフィクションの翼を広げてアレしたが、従軍慰安婦と兵士の間に子供が生まれて、どっかに里子に出すというか、、」

西部氏「お腹の中の子供を溶かしちゃうっていう言い方とかね、確かにあったと思う。でもそれは軍隊関係の娼婦に限らない事で、貧しいって事も関係ないのかなぁ、

つまり娼婦ってのは人類と共に最も古い商売のひとつで、なんなんだろうと思う時がある。人間って言うのは、、

(一度だけ、東大に入る前に、赤線で娼婦を買って嫌だった詳しい話 略)

人間ってそんなとこあるから、戦争物だから暢気な話は書けないにしても、もうちょっと男も女も歴史も何もかも含めてもっと民間と軍隊ももっともっと人間的に書いてもらいたかったって気はするなぁ。」

佐高氏「まぁ西部さんが最後まで読み通してくれたっていう事で(笑)」

024 以上

西部氏が一度も「従軍慰安婦」と言わず、一貫して「娼婦」と言っていたのが、全てを物語っている気がします。次に映画の話。戦争突入の話が物凄い面白いです。 あとパンパンの語源の話とか右

映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六」映画評と当時の政治状況 【西部邁・佐高信の学問のすゝめⅢ】2012年02月06日より抜粋


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ただこの成島映画をまとめていうと・・・丁度去年真珠湾攻撃の70周年か、それを気にして作ったんだろうが、

例えば、映画評論家の寺脇研さん(元文部官僚)・脚本家の荒井晴彦さんたちが僕に、『山本五十六はもしも生きていたらA級戦犯でしょう』と。

それはそうだと思うが、ちょっとまとめて言うと、つまり東京裁判って言うのは、つまりアメリカのね、日本に対する一種の復讐裁判劇というか、法律的裁判を装った見せしめ劇だと思うが、その見せしめ劇に山本五十六が生きていたら主犯だとなっていた。なんせ真珠湾攻撃を始めた人だから。

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とすると、、あんな裁判は見せしめ裁判にすぎんという事を、山本五十六という人物を描く事によって、五十六はなかなかの面白い人物だったと描く事によって、

いわゆる渡部昇一さんなんかが言ってた、東京裁判史観というか、あの戦争は悪い戦争であの戦争を推し進めた人達はね、悪い政治家で、悪い軍人さんなんだというね、で、66年戦後続いたそういうものをね、ある程度払拭するっていう意味で、

山本五十六はなかなか面白い人物であったと。この人が戦争を始めたんだと。それ故にといっちゃ、、あの戦争に対するものの見方をね、大きく軌道修正しても良いんじゃないかって、、

もちろんこれ政治映画でもイデオロギー映画でもないので、そういう解釈は強引だが、でも、でもそういう事で作ったのかな~となるんですかね? 良く分からないんだ。」

佐高氏「私はそう深くは考えないで見たが、つまり指導者の責任みたいな事は、きちっと描いていると思った。(中略)

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佐高氏「あのー、ヒトラーのマインカンプに、日本人を劣等民族視している指摘があると。でそういうのを若い将校たちに嗜めたりする場面もあったので、その辺はかなり丁寧に描いている反面、ちょっと神様にしちゃったなと。」

西部氏「例えば真珠湾でも『失敗だった』というセリフがあったが、これはアメリカの空母が実際に居なかったんだよね。だから戦艦をやっつけただけなんだけど、

それもアメリカ軍軍事基地の徹底的破壊を南雲がしないで帰っちゃった。(ある種の派閥争いの中で、、) そうなんだよね。

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これも山本五十六のせいじゃなくて、海軍全体の東条英機派・統制派の息のかかった人たちを送り込まれているから、五十六さんにはどうしようもなかったのかも知れないけど。」

佐高氏「まっ、全体的にはかなり丁寧な映画だなと思うが、、」

西部氏「そう思いますよ、特にこの時期にこういう形で、これまでは戦争反対でさぁ、帝国軍人は悪い人たちだと子供っぽい色づけ、それから遠く離れたまぁ、ちゃんとした映画だと思う。 」

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西部氏「この映画、奇しくもタイムリーなことになってると思うのは、いわゆるABCD包囲網が、日本に対して経済封鎖を仕掛けてきて、最終段階で油を売らないくて日本は干上がってくる。

それで突破口を求めて、なんとか大東亜共栄圏と言われていたが、それ以上にもう遮二無二でもこの経済封鎖の網を破らなければ国家として自存できないというギリギリまで来てたのは、ちょっと描かれているが、

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もう一つは援蒋ルートを、、だから日本が真珠湾を襲う前から、既に戦争は始まってる。

奇しくもと言ったのは、現在イラン・ベルシャ湾でホルムズ海峡封鎖あれ、アメリカ・イギリスなどが完全に経済封鎖を仕掛けて、イスラエルその他も加担しながら最終的にはイランの核開発施設を軍事的攻撃する寸前まで行っている。

そこでイランがその突破口を求めてホルムズ海峡封鎖に出るという相当キナ臭い、、

恐らく、あの時の日本もそれに近い感じの、少なくとも為政者にとってはジワジワと首を絞められてるっていうね、そこでバーンと爆発したのが日本として軍事的・政治的に巧みだったか下手だったかという議論は可能かと思うが、

大きなマクロ的な歴史の振り返りから言えば、起こるべくして起こった戦争だと。

ペルシャ湾のホルムズ海峡はどうなろうが、あそこまで状況が煮詰まってきたら、何が起こっても不思議じゃない、その寸前まで来ている。

そんなことを考えさせられるという意味で、僕は観客がそこを分かってほしいなと思う。

よくさ、白人帝国主義なんて一言で言うけど、具体的に、、

例えば日本人がアジアを侵略したと、この場合の侵略って言うのは、あってないような国際法を、、自分の方から、軍事的先制攻撃を仕掛けるという意味での日本の侵略は数々あるが、

でも、その前にインド・ビルマにイギリスはいる。フランスはインドシナにいる。オランダはインドネシアにいる。アメリカはフィリピンにいるって、、オマエたちどうしてそこに居るんだよって言われたらね、

人種の問題じゃないけど、白人たちが権力を握っているその当時の帝国主義諸国が、偉そうにね、日本のことをああだこうだ騒ぐなんてのは、僕に言わせりゃ子供の時から思ったけど、1ミリも出来るわけないでしょと、。

そういうことを考えさせる映画、、考えてくれと、、」

佐高氏「つまり、繰り返してるなと思うのは、アメリカとイギリスが大量破壊兵器云々で爆撃したが、大量破壊兵器はイラクになかった。あれは侵略ですよね。(間違いなく侵略だよ ) そうすると、それがまた違った形になると。

今、新聞なんか見てても、やっぱりイランは悪者で・・・みたいな論調ですよね。だから私はこの映画を見て一番思うのは、そういう状況の中で山本五十六に無限の責任はない。有限の責任の中でそれなりのことをやったと。

だから無限責任でやると凄い辛い評価になるが、あの状況の中で敢えて無限責任を要求するでしょ。山本五十六だったら全部何でも出来たような、、でも出来るわけがないわけで、、」

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西部氏「本当にそういう事を色々と考えさせられる。映画では、具体的に言われてないけど、僕あの当時の諜報合戦・スパイ合戦が、真珠湾を襲ってみたら実は空母が居なかったり、

そうすると、少なくとも仮説でいいけどさ、やっぱりアメリカは戦争に引き込んだんじゃないかと。空母が一隻も居ないようなパールハーバーというのは、アメリカは相当程度のことを分かった上で、日本に襲わせたかもね?!と

何もそれを書かなくてもそういう風に感じて、それでアメリカの『リメンバー・パールハーバー』なんて戯言にね、よくもまぁ66年前から言い始めたもんだと

ちょっと話し外れるが、本当に杜撰だなと思うのは、例えば1時間前までに宣戦布告する云々なんて言うが、真面目に考えてくれと。

もちろんワシントンの日本大使館が翻訳が遅れたとか馬鹿な事はあったが、それ以上に、

そもそも戦争というのは、先制攻撃から始まる。どうぞ皆さん存分に備えた上で始めましょうねって、別に将棋さしてるんじゃないから、やっぱり勝つために襲うわけなので、ギリギリまで相手に教えない

厳密に言うと、あの宣戦布告事自体ね、単なる飾りの、、

そのそこだけ膨らましちゃってね、日本は不法な戦争を始めたなんてね、そういうちゃちな話に戦後の日本は全部巻き込まれるんだから。」

佐高氏「ちょっと話変えるが(笑)、真珠湾のかなり難しい攻撃は、北海道で、、」

西部氏「そうそう、千島でのあそこからずっと南下してった。」

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佐高氏エトロフ発緊急電で、佐々木譲さんが書いてる。あの段階で、やっぱ察知されてますよね。」  西部氏「と思うよ僕は。」

佐高氏「察知されてないということはないでしょうね。」

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西部氏「よく言われているが、日本が襲ったときにさ、チャーチルが手を叩いて喜んだと。要するにアメリカを巻き込みたいわけね、イギリスは。

ルーズベルトもやりたかったんだけど、開戦の口実がなかなか見つからないと。そこで『リメンバー・パールハーバー』と。

リメンバーという言葉には『記憶せよ』と『思い出す』と言う意味がある。

僕は日本人は『思い出せ 真珠湾を。あれはやむ終えなかった』とかさぁ(笑)『なかなか山本五十六はがんばったんだ』とかさぁ、そういう意味でのリメンバーをしてもらいたと思う(笑)」

佐高氏「石川好はアメリカ人が『ノーモア・ヒロシマ』で、日本人が『リメンバー・パールハーバー』と言うべきだと。

まぁしかしあまりに戦争は、具体的にどういう形で起こるかを知らなすぎるから、丁度良い映画、、」

西部氏「ホントに、ホントにそう思いますよ。それから今の日本人には分からないことかも知らないが、第一次世界大戦が終わって、パリ講和条約で集まったときに、日本は講和会議で提案した。

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要するに人種差別をやめようと、ガンガン頑張った。ところがそれを適当に誤魔化したのがウッドロー・ウィルソンだ。アイツらですよ。巧みに日本の提案をチェアマンとしてすっぽかして、人種差別廃止国際条約みたいなのをすっぽかした。

案の定、それから5,6年経って、カリフォルニアで日本人移民排斥って、、そんなことにヒステリー起こしているんじゃないが、

帝国主義が絶頂に達したと同時に、やっぱり人種差別もね絶頂に達してたんだよね。

要するに民族皆殺しっていうジェノサイドっていうのは、別にユダヤ人だけの問題じゃなくて、あの時に帝国主義戦争が勃発した時には、他国民・他民族は絶滅しても構わないという、だからアメリカだってそういう思想のつながりで原爆も落とせるし、東京空襲その他で何十万もねずみのように焼き殺すって事、、怒ってるんじゃない、そういうもんだったって事を、、」

佐高氏「ウィルソンがアイツになってました(笑)

ただ、この映画で強調したかった事で、私もそのとおりと思うのは、当時は新聞ですね、つまりメディアの責任。新聞が煽ってんですよね、完全に。軍部の方がむしろ、特に五十六なんかは戦争したくなかった方だから、躊躇っていると、『そんな事で!』って煽るわけでしょ、新聞が。」

西部氏「いやこれ恐らく映画のレベルでここまでハッキリと主張したのはこの成島映画が最初じゃないかな。ちょこまかはあっただろうけどもあの戦争を強引に押してったのはメディアであるというね、小さい声で言うけど、あの映画に出てくるあのナントカ新聞ってのは朝日新聞の事だよね(笑)

佐高氏「まぁ、朝日、毎日が競ってね」

西部氏「毎日もやってたんだけどね。本当に敗戦の日まで頑張ってるからね、メディアはね。でも世間に知らされてないけども、実は意見を変えたんじゃなくて、新聞社内での権力の転覆が起こるんだよ。それまでジッと控えてたリベラル派が、敗戦と同時に会社の編集権とかを握って、そういう形で戦後が始まるんですがね。」

佐高氏「それがある種の政権交代みたいにして、新聞の責任はなかったみたいになっちゃったんです。」

西部氏「この映画はそれが執拗に描かれてますよね。」

佐高氏香川照之、編集局長みたいな人がね」

西部氏「三国同盟を結んで、これぞわが民族の正しい道だと言って、山本五十六他にプレッシャーをかけ続けると」

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佐高氏「だから昭和20年8月15日に、新聞の戦争責任で辞めた人って、朝日新聞を辞めたむのたけじしかいなかったんですって。一人でもいたのが救いなのか、一人しか居なかったっていうことなのか(笑)」

西部氏「これはちょっとズッコケた話だけど、好戦主義。(戦争の女神の話 略)メディアも戦争が大好きなんだけど、この映画でもちょっと描かれていたけど、やっぱり女たちも、男たちが戦うのを見るのが好きなんですよね。

結構、あの時代の女たちは戦後、夫と子供を戦争に取られてかわいそうな女たちみたいな話か出てこないが、同時にいかに女たちが戦争を煽るのが好きかというのを僕はもうちょっと描いてほしかった。」

佐高氏「なるほど~。まぁ煽られて行くのが男ですからね。そういえば戦後パンパンという変な言葉ありましたよね、娼婦。米軍相手の

で、あの人たちの事を書いた中で、彼女たちから見ると、日本の男は打ちひしがれてて魅力なかったと。(そうね~) 敗戦国の男たち。で、やっぱり米兵の方が魅力があったと、、」

西部氏「女はやっぱりね、危機的な状況では、金と権力の周りに女たちは群がるんですよね。だからパンパンもそうだと思うけど、

ところでね、たまたまテレビ見てたら、フィリピンの米軍基地があった時の話で、パンパンって言葉が出てきた。米軍基地があった近所の村の名前がパンパンだった。そこに米軍相手の娼婦が、、それ(言葉)が日本に持ち込まれた。

それを見ただけでも米軍が、フィリピン経由で日本にやってきたっていう事は、タガログ語のパンパンという言葉を見ても明らかなんだよね。」

佐高氏「でも、新聞の責任っていうのはもう少ししつこく丁寧に言わないとアレだ。」

西部氏「それと世論というものの怪しげさね。そういうメディア世論の作り出すひとつのムード・雰囲気・気分の中に、多くの人がワーーッとなだれ込むという、やっぱりデモクラシーの根本にはそういう動きがある。

ですから大戦争こそはまさにギリシャの昔から民主主義につきものみたいなところがある。アメリカだって民主党時代に大戦争やることが多い。

だから民主主義はね、平和主義なんて、、平和と民主なんて言葉はねそう簡単に吐くなよと。

だって民主主義というのは多くの民衆の気分を集めないと民主主義は成り立たない。それが世論だが、それは雰囲気であり気分であると。.そうすると戦争と結びつきやすいものだ。」

佐高氏「だから民衆が愚かであるか賢明であるか。賢明だという前提に立っちゃうからね。(西部氏の弟分の佐伯啓思が竹中平蔵を産経新聞でこてんぱんにやったのと話など 略)」

6fd0011e.jpg(以下 略) 

※これでも、半分ずつくらいカットしました(笑)

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2012年02月06日10:26映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六」映画評と当時の政治状況 【西部邁・佐高信の学問のすゝめⅢ】

朝日ニュースター【西部邁・佐高信の学問のすゝめⅢ】(1/28)で、

日米開戦70年を記念して 昨年末から公開されている歴史大作映画、

成島出監督 「聯合艦隊司令長官 山本五十六」
第二次世界大戦に日本がいかに突入していったのか。その戦争を阻止すべく異論を唱えた山本五十六はじめ、海軍大臣米内光政や軍務局長井上成美などの姿を描いている。

を、当時の背景を踏まえて西部・佐高両氏が1時間語るという番組をやっていたので記録しました(ただし流れはそのまま要約)この事を知った上で、この映画を見ると深い部分が見えてきそう。

特に東京裁判・ミッドウェー海戦・戦争賛美の新聞社(朝日・毎日)・現在のイランの立場と、当時の日本の比較・パンパンの話など、興味深かったです。

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佐高氏「西部さん、今回は山本五十六という事になったが、予告編を、、」

(映画 山本五十六の予告編)

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佐高氏「実は、山本五十六の評伝を書こうと思った事があって、西郷隆盛書いて、福沢諭吉書いて、次に五十六かなと。ある新聞でアレしたが編集長が替わって、原敬になったが。西部さんは五十六については?」

西部氏「1ページもないが、山本五十六は長岡の人で、僕も1/4長岡人。その前の幕末の河井継ノ助も長岡で、河井、山本と来ると1/4位は同郷のよしみで(笑)ある好意を感じる。

僕は成島監督とあるバーで1年に1ぺん位接触がある。最近凄く活躍している若い監督。

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ただこの成島映画をまとめていうと・・・丁度去年真珠湾攻撃の70周年か、それを気にして作ったんだろうが、

例えば、映画評論家の寺脇研さん(元文部官僚)・脚本家の荒井晴彦さんたちが僕に、『山本五十六はもしも生きていたらA級戦犯でしょう』と。

それはそうだと思うが、ちょっとまとめて言うと、つまり東京裁判って言うのは、つまりアメリカのね、日本に対する一種の復讐裁判劇というか、法律的裁判を装った見せしめ劇だと思うが、その見せしめ劇に山本五十六が生きていたら主犯だとなっていた。なんせ真珠湾攻撃を始めた人だから。

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とすると、、あんな裁判は見せしめ裁判にすぎんという事を、山本五十六という人物を描く事によって、五十六はなかなかの面白い人物だったと描く事によって、

いわゆる渡部昇一さんなんかが言ってた、東京裁判史観というか、あの戦争は悪い戦争であの戦争を推し進めた人達はね、悪い政治家で、悪い軍人さんなんだというね、で、66年戦後続いたそういうものをね、ある程度払拭するっていう意味で、

山本五十六はなかなか面白い人物であったと。この人が戦争を始めたんだと。それ故にといっちゃ、、あの戦争に対するものの見方をね、大きく軌道修正しても良いんじゃないかって、、

もちろんこれ政治映画でもイデオロギー映画でもないので、そういう解釈は強引だが、でも、でもそういう事で作ったのかな~となるんですかね? 良く分からないんだ。」

佐高氏「私はそう深くは考えないで見たが、つまり指導者の責任みたいな事は、きちっと描いていると思った

つまり、私は書こうと思ったくらいだから、ある程度の親近感はあるわけで、

つまり、最初は開戦反対で、陸軍から暗殺されかねない形で頑張って、始まったらやっぱりその場の責任としてやると。(あ~そういう事か) だから責任っていうのを引き受けてると。指導者、、」

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西部氏「仰る通りかも知れない。でもですな、あの戦争は最初から、自由民主主義 対 言わば全体主義というイデオロギー的構図の中で戦った世界戦争で、総力戦と言われているもの。

あれは当初からね、大戦争が始まったら、地域的には首都を落とすまでね、あるいは相手の軍隊を壊滅させるまで、もっと言うと、相手の国民・民族にね回復不可能なダメージを与えるまで終わるはずのない戦争だと。

これはね、日本がそういう風に深く考えていなかった。日清・日露はいくつかの戦役で勝利を収めれば講和で、賠償金払って領土を一部割譲して、戦争お仕舞いという事だったが、

総力戦なので相手の国家の背骨を折るまで止めないって戦争を分からなかった日本。あるいはその1人である山本五十六が、これ有名な話だけど、『半年ぐらいなら存分に暴れてみせましょう』 と言ったと。

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そんな半年でやったって、これ古い戦争だから。半年で真珠湾襲って、例えばミッドウェーで勝ったとして、アメリカがダメージ大きいから負けたことにするというような、生易しい戦争じゃなかったのに、山本五十六は始めちゃった。

これは悪い戦争を始めた責任じゃなくて、軍人として総力戦において見通しのないまま戦争を始めた軍事的責任のようなものは残るんだろうね。」

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佐高氏「私は石原莞爾という人を書いた者から見ると、石原莞爾は逆に戦争の火をけておきながら、戦後は責任取らないで、『俺を戦争犯罪人に何故しないんだ』と言ったと。

ここは山本五十六と逆転していると思う。山本五十六は反対していながら突っ込まざるを得なくなった。で、講和というのは軍人の責任かっていうのがある。

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つまり日露の場合は、ルーズベルトを引っ張り出しているが、今回はアメリカを叩いちゃってるから講和で頼るところがない。」

「そうだよね。最終段階ではソ連に頼もうという(笑)」

佐高氏「なんか責任とかいうものも、ある種限定的に考えなければならないとすると、石原莞爾よりは数段(笑) アレじゃないかと。」

西部氏「それはそうだ。僕はそれはわかる。軍人だから言わば政治が始めることに、軍人はその場で辞めないとしたら、命令だからやるしかない。ただそこの問題は残る。軍人は辞めることができる。

もしも、しかし半年で終わるはずのない戦争、アメリカのワシントンを奪わない限り終わらない戦争を、、 辞めることも出来たんだよね、本当はね。(でもー、あの状況だと) 出来ないよね(笑)  (あのままだと暗殺されますよね?) そう。陸軍の過激派にね。」

佐高氏「それとある種、こういう山本五十六は偉かったという映画の場合の常だが、マイナス面が出てこない。」

西部氏「あなたになり代わって言うと、要するに山本五十六は2号さんがいたわけよね。モテた男。もっと言えば女遊びが激しい、、その辺りのことはきれいさっぱり削られてるのね。

でも事情があるらしいよ。この映画は山本五十六の遺族会のサポートを受けて作られているので(エピソードをもらうとか)、遺族会の気持ちを傷つけるような場面は、、映画といえども一つの商売だからね。」

佐高氏評伝・人物スケッチする場合、必ずそれがネックになる。遺族は自分の身内のものだと独占しがちだけど、ある種、それを超える側面があるわけで。」

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西部氏「そう、それで、これは言っていいのかな~?? 僕はあの硫黄島(いおうとう)にね、一度行ったことがある。昔そこに暮らしていた人・遺族は行けるが、今は簡単にいけないくて、自衛隊員が二百何十人いるだけ。

遺族団の許可を得て行った時に、埼玉の入間の自衛隊飛行基地から輸送機みたいなので出発して、

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前の晩に遺族団の集まりで、その時僕、硫黄島の西大佐ね、オリンピックのバロン・ニシ。 あの人の末息子さんが遺族団の団長で、『遺族団以外の人が参加しているけども、この戦争について、この遺族団はある悲しみの気持ちをもって、弔ったりなんなりするんであって、それ以上のあれこれの言動は差し控えて頂きたい』と言われたとき、

僕はその気持ちは重々分かりながらも、でも同時に硫黄島のね、激戦は別に遺族団の私物じゃないし、そこで何を感じて何を考えるかというのは公の問題でそこまでチェックされる謂れはないのになと、ある不満を心に持ったのは確か。

まぁ別にそれに逆らう気もないんだけど、得てして戦争の遺族団にそういう傾きがありそう。これは私の先祖とか、、でも、あれは国家の問題ですからね。」

佐高氏「そうなんですよね。だから山本五十六の戦略・戦術を論ずる場合に、確かこの中(映画)で激しくやっている時に、将棋を指してるのが出てくるが、その場面だけだと、逆に山本五十六という人が矮小化されていきますよね。」

西部氏「しかも、僕は将棋ってのはある話だとは思うが、とにかく大将たる者、そこで気が動転したり焦ったりしたらダメなので、泰然自若と将棋を指しているという貫禄によって、全軍にある落ち着きを与えるという芝居だろうが、でもそこは難しくて、どういう風に受け取られるかね。」

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佐高氏「それとやっぱり女性に博愛の人がすべて良いという話じゃないが、やっぱり男に好かれる人は女にも好かれるという側面はありますよね。」

西部氏「アンタ、優しいのにね(笑) 」

佐高氏「いやいやリーダーの条件って言うか、、そこを描かないっていうのは山本五十六を逆に小っちゃくしていると思う。」

西部氏「そう。ただ僕はもうちょっと、、確かに時代が時代だし、ましてや指導者だから、2号さんや10号さんが居ようがいいが、案外、その異性の存在は、男にとって女性の存在は危ない面もあって、

これは勝手な想像だが、これから何百万死ぬだろう大戦争を仕掛ける時に、本人だって大不安なわけで、その不安は不安でじっと自分で引き受けて、あれこれ考えて決断するのは物凄い厄介なことで、

その時に簡単に女の所に簡単に行っちゃうと、自分の不安を中途半端にして、大物は結構女性の前で見栄を張る。そうすると奥さんじゃない女性は『すばらしいわ』となって、、案外男なんて山本五十六と言えども誰でも、後でヒーローとして扱われているけど、現場感覚だとそんなヒーローなんてほとんど居ない。と考えてると、女の問題は、どう描くかは別として重要なファクターであるんだよね。」

佐高氏「つまり、悩まないって問題は大きいわけで、悩まない人として描かれちゃってる。賢婦人がいて、、」

西部氏「結構こういう弱っている男たちがね、実は、表は大言壮語しているが、心の中で女に救いを求めているという、そういう男たちを本当に山ほど見た

僕だって、しがみ付きたくなかったわけじゃないけど、それをやったらオシマイだという感覚が根強くあった。まぁ美学と言うか、北海道から来た田舎者の限界かもしれないが。

それを1万倍膨らますと、五十六さんだって危ないとこあったんじゃないかなって気になる。違うかも知れないんだけどね。」

佐高氏「だから揺れを描いてほしかったと言うかね。だから揺れが将棋しかないっていう、それがちょっと五十六ってそんな人だったのかという、、」

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西部氏「そう、ヒットラーだって、エヴァ・ブラウンとねぇ、もちろんあの人はアドルフ君はどっかちょっと精神がノーマルじゃないとこあるからだけど、

でも、ヒットラーという人物を描くときに、いっつもエヴァ・ブラウンの事も合わせ鏡のように描かないと分からないってことがある。」

佐高氏「なんか、物凄く謹直な人として描かれすぎる。」西部氏「本当に良きパパみたいなね」

佐高氏「遺族の気持ちも分からないではないが、どうぞお好きに描いてくださいというのが遺族の態度ではないかなと。」

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西部氏「特に硫黄島の栗林中将は本当にひたすら良きパパなので、それとの対比で山本がどういう人だったかが気になる。恐らくかなり栗林中将と隔たった生き方・人柄だったんだろうね。」

佐高氏原田美枝子演ずる奥さんが賢婦人で、そうかも知れないけどというのがある。」

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西部氏「例えば真珠湾攻撃の南雲中将に任せとか、肝心要の半年後のミッドウェーも南雲に任せて、成功とは言えない状態に、、

もしもその時、どうして自分が信頼もしていないどっか疑っている南雲に任せたかってな事まで気になったりね。

そういう山本五十六の人柄のブレをね、描くためにはプライベートライフのブレを同時に描いてくれた方が分かりやすかった。」

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佐高氏「あのー、ヒトラーのマインカンプに、日本人を劣等民族視している指摘があると。でそういうのを若い将校たちに嗜めたりする場面もあったので、その辺はかなり丁寧に描いている反面、ちょっと神様にしちゃったなと。」

西部氏「例えば真珠湾でも『失敗だった』というセリフがあったが、これはアメリカの空母が実際に居なかったんだよね。だから戦艦をやっつけただけなんだけど、

それもアメリカ軍軍事基地の徹底的破壊を南雲がしないで帰っちゃった。(ある種の派閥争いの中で、、) そうなんだよね。

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これも山本五十六のせいじゃなくて、海軍全体の東条英機派・統制派の息のかかった人たちを送り込まれているから、五十六さんにはどうしようもなかったのかも知れないけど。」

佐高氏「まっ、全体的にはかなり丁寧な映画だなと思うが、、」

西部氏「そう思いますよ、特にこの時期にこういう形で、これまでは戦争反対でさぁ、帝国軍人は悪い人たちだと子供っぽい色づけ、それから遠く離れたまぁ、ちゃんとした映画だと思う。 」

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西部氏「この映画、奇しくもタイムリーなことになってると思うのは、いわゆるABCD包囲網が、日本に対して経済封鎖を仕掛けてきて、最終段階で油を売らないくて日本は干上がってくる。

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それで突破口を求めて、なんとか大東亜共栄圏と言われていたが、それ以上にもう遮二無二でもこの経済封鎖の網を破らなければ国家として自存できないというギリギリまで来てたのは、ちょっと描かれているが、もう一つは援蒋ルートを、、だから日本が真珠湾を襲う前から、既に戦争は始まってる。

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奇しくもと言ったのは、現在イラン・ベルシャ湾でホルムズ海峡封鎖あれ、アメリカ・イギリスなどが完全に経済封鎖を仕掛けて、イスラエルその他も加担しながら最終的にはイランの核開発施設を軍事的攻撃する寸前まで行っている。

そこでイランがその突破口を求めてホルムズ海峡封鎖に出るという相当キナ臭い、、

恐らく、あの時の日本もそれに近い感じの、少なくとも為政者にとってはジワジワと首を絞められてるっていうね、そこでバーンと爆発したのが日本として軍事的・政治的に巧みだったか下手だったかという議論は可能かと思うが、

大きなマクロ的な歴史の振り返りから言えば、起こるべくして起こった戦争だと。

ペルシャ湾のホルムズ海峡はどうなろうが、あそこまで状況が煮詰まってきたら、何が起こっても不思議じゃない、その寸前まで来ている。

そんなことを考えさせられるという意味で、僕は観客がそこを分かってほしいなと思う。

よくさ、白人帝国主義なんて一言で言うけど、具体的に、、

例えば日本人がアジアを侵略したと、この場合の侵略って言うのは、あってないような国際法を、、自分の方から、軍事的先制攻撃を仕掛けるという意味での日本の侵略は数々あるが、
でも、その前にインド・ビルマにイギリスはいる。フランスはインドシナにいる。オランダはインドネシアにいる。アメリカはフィリピンにいるって、、オマエたちどうしてそこに居るんだよって言われたらね、

人種の問題じゃないけど、白人たちが権力を握っているその当時の帝国主義諸国が、偉そうにね、日本のことをああだこうだ騒ぐなんてのは、僕に言わせりゃ子供の時から思ったけど、1ミリも出来るわけないでしょと、。

そういうことを考えさせる映画、、考えてくれと、、」

佐高氏「つまり、繰り返してるなと思うのは、アメリカとイギリスが大量破壊兵器云々で爆撃したが、大量破壊兵器はイラクになかった。あれは侵略ですよね。(間違いなく侵略だよ ) そうすると、それがまた違った形になると。

今、新聞なんか見てても、やっぱりイランは悪者で・・みたいな論調ですよね。だから私はこの映画を見て一番思うのは、そういう状況の中で山本五十六に無限の責任はない。有限の責任の中でそれなりのことをやったと。

だから無限責任でやると凄い辛い評価になるが、あの状況の中で敢えて無限責任を要求するでしょ。山本五十六だったら全部何でも出来たような、でも出来るわけがないわけで、、」

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西部氏「本当にそういう事を色々と考えさせられる。映画では、具体的に言われてないけど、僕あの当時の諜報合戦・スパイ合戦が、真珠湾を襲ってみたら実は空母が居なかったり、

そうすると、少なくとも仮説でいいけどさ、やっぱりアメリカは戦争に引き込んだんじゃないかと。空母が一隻も居ないようなパールハーバーというのは、アメリカは相当程度のことを分かった上で、日本に襲わせたかもね?!と

何もそれを書かなくてもそういう風に感じて、それでアメリカの『リメンバー・パールハーバー』なんて戯言にね、よくもまぁ66年前から言い始めたもんだと

ちょっと話し外れるが、本当に杜撰だなと思うのは、例えば1時間前までに宣戦布告する云々なんて言うが、真面目に考えてくれと。

もちろんワシントンの日本大使館が翻訳が遅れたとか馬鹿な事はあったが、それ以上に、

そもそも戦争というのは、先制攻撃から始まる。どうぞ皆さん存分に備えた上で始めましょうねって、別に将棋さしてるんじゃないから、やっぱり勝つために襲うわけなので、ギリギリまで相手に教えない

厳密に言うと、あの宣戦布告事自体ね、単なる飾りの、、

そのそこだけ膨らましちゃってね、日本は不法な戦争を始めたなんてね、そういうちゃちな話に戦後の日本は全部巻き込まれるんだから。」

佐高氏「ちょっと話変えるが(笑)、真珠湾のかなり難しい攻撃は、北海道で、、」

西部氏「そうそう、千島でのあそこからずっと南下してった。」

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佐高氏エトロフ発緊急電で、佐々木譲さんが書いてる。あの段階で、やっぱ察知されてますよね。」 西部氏「と思うよ僕は。」佐高氏「察知されてないということはないでしょうね。」

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西部氏「よく言われているが、日本が襲ったときにさ、チャーチルが手を叩いて喜んだと。要するにアメリカを巻き込みたいわけね、イギリスは。

ルーズベルトもやりたかったんだけど、開戦の口実がなかなか見つからないと。そこで『リメンバー・パールハーバー』と。

リメンバーという言葉には『記憶せよ』と『思い出す』と言う意味がある。

僕は日本人は『思い出せ 真珠湾を。あれはやむ終えなかった』とかさぁ(笑)『なかなか山本五十六はがんばったんだ』とかさぁ、そういう意味でのリメンバーをしてもらいたと思う(笑)」

佐高氏「石川好はアメリカ人が『ノーモア・ヒロシマ』で、日本人が『リメンバー・パールハーバー』と言うべきだと。

まぁしかしあまりに戦争は、具体的にどういう形で起こるかを知らなすぎるから、丁度良い映画、、」

西部氏「ホントに、ホントにそう思いますよ。それから今の日本人には分からないことかも知らないが、第一次世界大戦が終わって、パリ講和条約で集まったときに、日本は講和会議で提案した。

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要するに人種差別をやめようと、ガンガン頑張った。ところがそれを適当に誤魔化したのがウッドロー・ウィルソンだ。アイツらですよ。巧みに日本の提案をチェアマンとしてすっぽかして、人種差別廃止国際条約みたいなのをすっぽかした。

案の定、それから5,6年経って、カリフォルニアで日本人移民排斥って、、そんなことにヒステリー起こしているんじゃないが、

帝国主義が絶頂に達したと同時に、やっぱり人種差別もね絶頂に達してたんだよね。

要するに民族皆殺しっていうジェノサイドっていうのは、別にユダヤ人だけの問題じゃなくて、あの時に帝国主義戦争が勃発した時には、他国民・他民族は絶滅しても構わないという、だからアメリカだってそういう思想のつながりで原爆も落とせるし、東京空襲その他で何十万もねずみのように焼き殺すって事、、怒ってるんじゃない、そういうもんだったって事を、、」

佐高氏「ウィルソンがアイツになってました(笑)

ただ、この映画で強調したかった事で、私もそのとおりと思うのは、当時は新聞ですね、つまりメディアの責任。新聞が煽ってんですよね、完全に。軍部の方がむしろ、特に五十六なんかは戦争したくなかった方だから、躊躇っていると、『そんな事で!』って煽るわけでしょ、新聞が。」

西部氏「いやこれ恐らく映画のレベルでここまでハッキリと主張したのはこの成島映画が最初じゃないかな。ちょこまかはあっただろうけどもあの戦争を強引に押してったのはメディアであるというね、小さい声で言うけど、あの映画に出てくるあのナントカ新聞ってのは朝日新聞の事だよね(笑)

佐高氏「まぁ、朝日、毎日が競ってね」

西部氏「毎日もやってたんだけどね。本当に敗戦の日まで頑張ってるからね、メディアはね。でも世間に知らされてないけども、実は意見を変えたんじゃなくて、新聞社内での権力の転覆が起こるんだよ。それまでジッと控えてたリベラル派が、敗戦と同時に会社の編集権とかを握って、そういう形で戦後が始まるんですがね。」

佐高氏「それがある種の政権交代みたいにして、新聞の責任はなかったみたいになっちゃったんです。」

西部氏「この映画はそれが執拗に描かれてますよね。」

佐高氏香川照之、編集局長みたいな人がね」

西部氏「三国同盟を結んで、これぞわが民族の正しい道だと言って、山本五十六他にプレッシャーをかけ続けると」

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佐高氏「だから昭和20年8月15日に、新聞の戦争責任で辞めた人って、朝日新聞を辞めたむのたけじしかいなかったんですって。一人でもいたのが救いなのか、一人しか居なかったっていうことなのか(笑)」

西部氏「これはちょっとズッコケた話だけど、好戦主義。(戦争の女神の話 略)メディアも戦争が大好きなんだけど、この映画でもちょっと描かれていたけど、やっぱり女たちも、男たちが戦うのを見るのが好きなんですよね。

結構、あの時代の女たちは戦後、夫と子供を戦争に取られてかわいそうな女たちみたいな話か出てこないが、同時にいかに女たちが戦争を煽るのが好きかというのを僕はもうちょっと描いてほしかった。」

佐高氏「なるほど~。まぁ煽られて行くのが男ですからね。そういえば戦後パンパンという変な言葉ありましたよね、娼婦。米軍相手の

で、あの人たちの事を書いた中で、彼女たちから見ると、日本の男は打ちひしがれてて魅力なかったと。(そうね~) 敗戦国の男たち。で、やっぱり米兵の方が魅力があったと、、」

西部氏「女はやっぱりね、危機的な状況では、金と権力の周りに女たちは群がるんですよね。だからパンパンもそうだと思うけど、

ところでね、たまたまテレビ見てたら、フィリピンの米軍基地があった時の話で、パンパンって言葉が出てきた。米軍基地があった近所の村の名前がパンパンだった。そこに米軍相手の娼婦が、、それ(言葉)が日本に持ち込まれた。

それを見ただけでも米軍が、フィリピン経由で日本にやってきたっていう事は、タガログ語のパンパンという言葉を見ても明らかなんだよね。」

佐高氏「でも、新聞の責任っていうのはもう少ししつこく丁寧に言わないとアレだ。」

西部氏「それと世論というものの怪しげさね。そういうメディア世論の作り出すひとつのムード・雰囲気・気分の中に、多くの人がワーーッとなだれ込むという、やっぱりデモクラシーの根本にはそういう動きがある。

ですから大戦争こそはまさにギリシャの昔から民主主義につきものみたいなところがある。アメリカだって民主党時代に大戦争やることが多い。

だから民主主義はね、平和主義なんて、、平和と民主なんて言葉はねそう簡単に吐くなよと。

だって民主主義というのは多くの民衆の気分を集めないと民主主義は成り立たない。それが世論だが、それは雰囲気であり気分であると。.そうすると戦争と結びつきやすいものだ。」

佐高氏「だから民衆が愚かであるか賢明であるか。賢明だという前提に立っちゃうからね。(西部氏の弟分の佐伯啓思が竹中平蔵を産経新聞でこてんぱんにやったのと話など 略)」

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佐高氏「山本五十六って、米内光政とか井上成美とか海軍三羽烏とか言われて、、この映画見る限り、それなりにもちろん山本五十六の支持者も居るが、強力な反対者も海軍の中に居て、そういう人たちに対する働きかけっていうのはあまりないですね。

俺は俺、あいつはあいつの道を行けみたいな、、」

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西部氏「昔、戦記物をまとめて読んだ時に、海軍の中にドイツ帰りで、鹿児島出身の神重徳が中堅幹部でいて、強烈に三国同盟で対米決戦、、

陸軍は親米英で、海軍はドイツ派だという単純な対比があるけど、どうも海軍だって中堅幹部たちはドイツ帰りでしょ。1930年代ナチズム・ファシズムが熱狂を持って一般民衆から支持されているという光景を見て帰って、、なんか滅びつつある帝国のねぼやけた戦略・戦術を真似してどうするんだー!っていうね、強烈にドイツ派が海軍の中に居たんでしょうね。

したがって上の方は若干、米内光政から始まって親米なんだけど、やっぱりその中堅と上層部の間に乖離があったんでしょうね。」

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佐高氏「だから城山三郎さんは、17歳で海軍の海兵団に入って、ハンモックの上で寝かされて、夜中にそれを訓練だー!と切られて、、だから海軍が合理的だなんて戯言だって書いてある。」

西部氏「(この映画は)歴史の大きなひとコマをもう一度66年ぶりに新しい角度で描こうとした、、」

佐高氏「海軍の山本五十六が居る所にむ、陸軍の青年将校が押しかけて、鉄砲を向けて。そういう対立みたいなものもあったという事が丁寧に描かれているという。」

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西部氏「やっぱりね、始めた以上は、本土決戦まで行っちゃったらどうなんだと、徳富蘇峰は言ってたし、それから何十年か経ったら、ベトナムはまさに自分たちの本土で十年戦争をやってアメリカを追い返したし、アラブも色々とがんばってるしね。

日本は見事な戦争をやったんだけども、結構なんか負け方は不甲斐ねーなって(笑) 僕の子供の時からの(笑) もっとがんばりゃ良かったのにって、、」

佐高氏「なんか、急に咳き出てきました、はははははは。」

西部氏「でも彼は戦争始まって2年半で、現地視察に行って墜落事故(ほぼ自殺みたいなもんで) でも不時着した後も生きてて、最後に動けなくなってピストル自殺したと。

でも、そういう時代だから我々のような戦後に生まれた人間があんまり大言壮語できないからね。

なかなか立派な長岡人でしたと。」

佐高氏「なるほど。私がもし書いてればどういう結果になったか分からないが、軍人だからということで否定されるような人ではなかったということですよね。」西部氏「そうそう」

佐高氏その点は見事に浮き彫りにされているような気もしますですね。」

cf511ad1.jpg以上

「週刊金曜日」発行人の佐高氏も、西部氏の前では大人しい(苦笑)

二人は真逆のイデオロギーを持っているけど、映画評のトークとしては知識が豊富で、引き出しが多いので面白かったです。この二人共が高評価するぐらいだから、相当良い映画なんだと思いました。

ちなみに私はまだ見ていません^^;

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《従軍慰安婦小説 対談 (西部邁・佐高信)   【学問のすゝめ】》

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2010年09月08日20:08従軍慰安婦小説『めぐりくる春』 対談 (西部邁・佐高信)   【学問のすゝめ】

朝日ニュースター【西部邁・佐高信の学問のすゝめⅡ】は、

2年目のテーマは「本」。人類の遺産とも言える「古典」、今の時代を映す「ベストセラー」、そして今 読むべき「お奨め本」など保守派の碩学、西部邁リベラル派の代表、佐高信が更に自由に語り合います!

こんな番組で、今回は、従軍慰安婦小説と在日朝鮮人に関してだったので、西部・佐高氏2人の対談を記録しました。(ただし、長いので流れはそのまま要約、その小説『めぐりくる春』と関係のない話は省略)

佐高信氏は、アノ週刊金曜日の発行人。西部さんは《西部邁・平沼赳夫の鳩山クッキング》でお馴染み?かも。
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佐高氏
「第2ラウンド、今回はヤン・ソギルさんの『めぐりくる春』なんですが、

ちょっと西部さんには読みにくい本(笑)」西部氏「いやいや、スラスラと。これ週刊金曜日に連載された、、(笑)」佐高氏「じゃあVTR」

002_2  今回取り上げるのは、作家・梁石日(ヤン・ソビル)氏が従軍慰安婦問題を取り上げた『めぐりくる春』。日中戦争が始まった日本占領下の朝鮮半島を舞台に、出稼ぎに出ていた少女スンパが17歳の時に、日本人の警官に騙され、従軍慰安婦にされてからの過酷な運命を描いている。

作者の梁石日(ヤン・ソビル)氏は大阪に生まれ、『タクシードライバー日誌』で作家デビュー。

主な作品に在日を描いた『夜を賭けて』実の父をモデルにした『血と骨』。幼児の売買春・臓器移植を描いた『闇の子供たち』などがある。

佐高氏「梁石日(ヤン・ソビル)って人の作品は、映画なんか含めて初めて?(初めて) あ~」

003西部氏「血と骨?! はある酒場の女性が観て、あんまりあんまり残虐なんで西部さん見るなって(笑) 素直に観なかった(笑)」

佐高氏「酒場の女性の言う事聞かれた?(笑)」

西部氏「僕ね、これ読んでて、一言で言うとね、作者に悪いけど、非常に読み易い本でね、

物事の一面は表現されてるんだろうけども、やっぱりね・・・・・薄っぺらでね。読みやすかったけども、物事の一側面をかすっただけで、心に打つものがほとんどなかった。」佐高氏「薄っぺらって、人間が生きていく、、」

西部氏「これ日本の戦争の小説もだが、例えば軍隊というもの、娼婦と軍隊の関係でも人間性そのものの否定だという表現が出てくるけど、でもそうだったら小説の表現はつまんなくなるんではないか。

僕に言わせれば、戦争も、戦争の性も、性をめぐる暴力その他も非常に歪んだ形だが、人間性そのものの発露でもありうるという視点がないと、結局はどっかに悪いやつがいて良い人はかわいそうみたいな話で、子供向けの紙芝居になっちゃうと思う。」

佐高氏「ただこの中に、日本兵と慰安婦の恋愛、、」

005 西部氏「まさしくそう。気が付いててだから作者の表現の中に矛盾が生じるんじゃないかと

要するに、韓国人の娼婦と日本兵の間に恋愛が生じて、、そしてそれを人間性というのならば、人間性そのものの否定なんて事は簡単に言えないんじゃないか

いい例かわからないが、第二次世界大戦だって、好きではないがレマルクがドイツ人にいて、凱旋門とか愛する時と死する時、、あれも簡単に言うと ドイツ人の若き兵士がヒューマニストとして振舞う。ところがドイツの戦争はナチスで言えばここで人間性を否定する、悪しきナチス党員がいたみたいな話になる。

やはり今頃書くなら、そういうどっちをとるかみたいな話じゃ、戦争とか性暴力はないんだと表現してもらいたいなぁ。」

佐高氏「西部さんは要するに従軍慰安婦論争みたいなものがあって、従軍慰安婦は存在しなかったという、、」

西部氏「僕は、"従軍慰安婦"は直どおりに解釈すると、軍の動きと共に兵隊を性の面で慰安する婦人の話と。そういう意味なら別に従軍慰安婦はどっこにもいるもんだが、問題は軍の強制連行で行われたかどうか

もちろん強制連行があったという証言もある事も知っているし、でも調べたらそれはウソの証言・誇大な証言だったと。

僕は両陣営とも偏執的に強制連行があったあったと証言を集めてくる人たちと、その証言を逐一偏執的にまた調べまくってなかったと言っている人達、、もう勝手にやってくれと。

というのは、この話戻すが、最初の方に先程『日本の警察に騙されて』みたいな事があったが、その前冒頭に『小作地の見回り役としてのコヘイセイ、それを誘い込むわけ』(朝鮮の人をね) そうそう、僕はあんまり経験ないんだけど、僕がいくつか実地に関係者から聞いた話で言うと、

例えば友人のお父さんが、日本軍に協力したという事で樺太でソ連軍に処刑された人の話だが、木浦(モッポ)は当時日本兵の労務者の娼婦も含めて、運び出し基地で、彼はそこから韓国人・朝鮮人を日本に運んできた親分

ここいう話は多くて、困っている朝鮮人、娼婦を収入が十倍になると誘って集めて、それで運んできて日本の軍隊に就けるとか、日本の鉱山なりに就けると

そういう事が考えられないまま、強制連行という紋切型の、軍隊の強い日本と当時弱い韓国で、そうなれば当然強いものが弱いものをやっつけてきたハズだ。押さえつけたハズだ。強制連行したハズだという、そういう話がだんだん尾ひれが付けられるのはなんか変だなぁという気持ちはある。」

佐高氏「その命令書があったかという話をこうやるのは、私も違うんじゃないかと思う。例えば城山三郎さんの『特攻』でも、特攻志願の者は前へという話がある。その時に出ない訳にはいかないという状況、それしか選択肢がないというものを、つまりそれは強制ではないという風に(笑)言った場合には、実態とはちょっとズレると思う。」

021  西部氏「そう、それはズレるよね。だからそこの所はほっんとうに微妙で、しかし反対に強制がないというのも現実としてズレるし、また強制だというのもズレる

まぁ特攻の話の方が論じやすいけどね。やっぱり学徒出陣も自分は国の為に死ぬと言う気持ちで行っている。

そこまで本当で、然しながらギリギリまで来たら特攻で一人で死んでいくという事は滅多に選ばれるもんじゃないという意味では、志願したくないなと思う人が多かった事は簡単に想像できる。

でも、私心では志願したくない、死にたくない。然しながらその当時時代の中でのパブリックマインドの在り方として青年たるもの志願せねばならん。つまり一歩前に出るか留まるかという時には、私心とパブリックの心のせめぎ合いがあるわけで、人によっていろんなケースがあるので、そこの所を表現する事は、社会学的にはムリだが、文学はそれだって良い気がする。」(中略)

012

 西部氏「各謝罪談話の話は、100%否定はしないが、過去の歴史上にあった事柄について、後世がそれについて反省するとか、謝罪するとかそういう事を軽々しくやるという事の中に、

それこそ人間性についての間違った判断が、、つまり人間の感情、認識自体が歴史の中にいて時代の中に居て、そういう中にいない我々があれは悪かったとか良かったとか、果たしてどこまで言えるかという、、そのことに対して物凄い軽はずみな、オマエさん達は何者なんだと。」(佐高氏、小泉・安倍氏批判 略)
 

011013西部氏「当時の法律も知っているし、

ロシアの南下政策・韓国がロシア人を軍事顧問として雇っていた状況も全部知った上で、、しかし日本は軍国主義が強まった事は確かだが、その歴史上のやむおえざる事情も絡み合っているので、反省・謝罪ではなく、遺憾であったという言葉に留めるべきだとずっと思っている。」(中略)

 佐高氏「ヤン・ソギルは、様々な体験を経て、夜逃げしたりタクシードライバーずっとやったりした人だが、ヘンリー・ミラーに没頭した、ある種の日本のヘンリー・ミラーみたいな所があるので、腰が据わってる書き方はしている。」(かっけの話などに脱線 略).

014 015西部氏「・・話戻していい? 

これもわずかな経験なんだけど、日本に来た韓国人の事『僑胞(キョッポ)』って言うが、僕一度、在日で総連系を連れて韓国旅行した事がある。偉そうに言うと僕が引率って感じで。徐兄弟って拷問にあったでしょ? あの人がスパイだったという話ではなくて、あの後だったのでなかなか怯えて、、

つまり脛に傷があったから傷持ったまま本国へ帰ったら、何かの具合でKCIAにやられるんじゃないかという、帰れないという人達が何人かいて、大丈夫だと僕らが連れて行ったことがある。

その時4箇所、ソウルから南下して慶州・百済のプヨ?・・最後釜山行ったりして、色んな町でバーなんかに入ると、カタコトの日本語を喋れる女性達が、連れて行ったキョッポに対して、物凄いアグレッシブルな事をいう。罵倒に近い。

016 『アンタ、所詮キョッポでしょ』と『カネが欲しくて国を捨てて日本に渡った人達の子孫でしょ』と『韓国人のクセして韓国語を喋れないの』と。

僕は義憤に駆られて女性達を叱った。『色んな事情を抱えて日本に居たから韓国語が喋れないだけであって、自分の母国が懐かしいって来ているだけなのにそのからかい方は一体なんなんだ』と柄にも無くケンカしたことがある(笑)

韓国の本国の人達は統計的に分かっているんじゃないかと。あの当時の韓国は貧しいから、少しでも安定した金銭収入にありつきたいと日本列島に渡ったんじゃないかという、本国の人達は共通認識として思ってるんじゃないかと。

韓国語を喋れなくなった在日の子孫にそういう言い方をするのは、そういうのをやっちゃいけないって国際作法にしてもらいたい(笑)」(ブラジル移民の話  略)

017 018

佐高氏
「北朝鮮の帰還事業もそこにしか希望を託せないと、、それからね、ジャイアンツの新浦っていうピッチャーがいたでしょ? あの人はまさに在日で、(向こうに行って野球やってたでしょ) そうです。

019 020それから広島の福士が、関川夏央が『海峡を越えたホームラン』という本の中で書いたが、まさに渡ってから苦労するわけです。『オマエはキョッポだ』と『ハングル喋れねぇじゃねぇか』と。」

西部氏「その裏を返して、佐高さんどう思うか、、NHKで去年?、あの戦争の時に韓国人でありながら、といっても国籍は日本だが、特攻に志願する話で、ただその番組の趣旨は結局『かわいそう』って趣旨のフイルムになっているわけ。

でも僕は外交上の礼儀作法から言ったら、一応外国人が日本の為に決死の覚悟でカミカゼ特攻という作戦、、あれは原則志願だから、志願してくれたという事に、日本人が果たしてしっかりと感謝したのかどうかと。

僕はしっかりとありがとう、ご苦労様でしたと、あんな志願したら必ず死ぬのに志願してくれたことについては、後世の者としては、ご遺族に日本として感謝すると。感謝状と共に差金ね(笑)」(中略)

西部氏「・・・そういう番組を作るといっつもね、さもこんな酷い戦争の酷い乱暴な作戦に外国人が巻き込まれたと、犠牲者であると、そういう脈絡でしか作られない物語が、僕は嫌だな。」

004 佐高氏「この『めぐりくる春』をめぐってシンポジュームみたいなのをヤンさんも含めてやった時に、

インターネットでユーチューブかニコニコ動画か、バーーッとこうくるわけだが、その大部分が『証拠を出せ』って(笑)ばっかりなんですよ。『証拠出せ証拠出せ』って。

それと『何十年経った後に名乗り出たじゃないか』という話で、それについては在日朝鮮人のエッセイストの女性が、日本以上に儒教の国だから、故郷に居られない、ね、つまり慰安婦とされた場合、????できなかったというのがある。それは日本だって似たようなものありますよね?」西部氏「もちろんそう。娼婦をやるという事はね。」

佐高氏「だから証拠を出せって(笑) じゃあ、そこで一旦決着したらアメリカの原爆も非難できないのかという話になる。」

西部氏「だから、ともかく僕は結論は簡単すぎるけど、過去の歴史については、自分がその場に居たとしたらどこまでできたかという想像力を最大限駆使した上で、、申し訳なかったと言わざるを得ないと覚悟した上で、然しながらやっぱり国際社会だから、条約というレベルもあれば、、それからこれは誰もハッキリ言わないけど、あの当時は、帝国主義の末期というより最高潮の段階なんですよ。あけすけに言うと侵略する力を持っている、侵略した実績を持っているかどうかに於いて一等国、二等国、三等国が仕分けされるような世界史の段階だった。

しかもその段階を作ったのは別に日本ではなく、欧米のイニシアティブ

だから日本は免罪と言ってるんじゃなくて、そういう事を全部ひっくるめて、仕分けをしながら語ってもらいたい。」

022佐高氏「ただ、今までこういう従軍慰安婦についての小説についてほとんど書かれてこなかった。ねっ。『朗読者』との違いはどうなんだろう?」

西部氏「やはり男であれ、女であれ、裏表で、オープンと秘密とかかなり複雑なもの。

それを愛しているか愛していないか、悪いか良いかという形で二者択一するような形には出来るだけ気をつけてもらいたい

例えばこれね、ヤン・ソビルさんにケンカを売ってるワケじゃないが、こういう文章が気になった。『日本兵士は恐怖のあまり娼婦という女に抱きつき、娼婦は日本兵に対する恐怖のあまり、兵隊から逃れようとする』と。

もちろんそういう人も居たと思うし、大まかに言えばそういう風に見えたかもしれないけれども、しかしそれはいかにも単純すぎるし、ヤン・ソビルさん自身が互いに惚れ合う兵士と娼婦の話を承認している事にみられるように、そんな風に兵士と娼婦の関係をぶった切るのは僕はちょっとアレだと思った。そこの所もうちょっとね、、(情婦マノンのストーリー 略)

つまり娼婦と外国人の間には、恐怖と憎しみと色んなことがあるだろうが、同時に滅多にない男女のドラマも出現する。」(美輪昭宏の話など、略 )

Photo  佐高氏西野瑠美子って人が色々聞き書きして書いた従軍慰安婦の本のネタ元にしながら、

ヤンさんがフィクションの翼を広げてアレしたが、従軍慰安婦と兵士の間に子供が生まれて、どっかに里子に出すというか、、」

西部氏「お腹の中の子供を溶かしちゃうっていう言い方とかね、確かにあったと思う。でもそれは軍隊関係の娼婦に限らない事で、貧しいって事も関係ないのかなぁ、

つまり娼婦ってのは人類と共に最も古い商売のひとつで、なんなんだろうと思う時がある。人間って言うのは、、(一度だけ、東大に入る前に、赤線で娼婦を買って嫌だった詳しい話 略)

人間ってそんなとこあるから、戦争物だから暢気な話は書けないにしても、もうちょっと男も女も歴史も何もかも含めてもっと民間と軍隊ももっともっと人間的に書いてもらいたかったって気はするなぁ。」

佐高氏「まぁ西部さんが最後まで読み通してくれたっていう事で(笑)」

024 以上

西部氏が一度も「従軍慰安婦」と言わず、一貫して「娼婦」と言っていたのが、全てを物語っている気がします。

NHKで、『日本の、これから』ともに語ろう日韓の未来 (従軍慰安婦編)が次にあるとするならば、本当に中立的に喋れる西部さんを推薦したいと思いました(笑)

で、さっきニュースを見たら、小沢氏が総理になったら、鳩山氏と菅氏を要職に起用するつもりだとか・・こんなのを要職に就けるって、バッカじゃないのっ[E:sign02]

【ニコニコ動画】西部邁・平沼赳夫の鳩山クッキング

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